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更新April 18(Sat), 2009

薬剤師の求人募集と法的位置づけ

 現在、薬剤師就職求人転職の募集は止むことがありません。解雇やリストラのニュースが飛び交う中にあっても薬剤師の求人募集は逆に増える一方です。というのも、ネットで薬販売が禁止される中にあり、薬の対面販売が重要視される中にあって、薬局には薬剤師を配置することが定められていることによります。薬剤師とは、薬剤師法という法律の規定によって「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」と定められています。

薬剤師は薬のすべての過程で

 病気の治療や予防、健康の維持などのために、古くから薬は私たちの生活に欠かせないものになっています。病気やけがで、病院や診療所(医院)にかかって薬をもらったり、体調がすぐれないときやちょっとした怪我などをしたときには町の薬局・薬店で大衆薬を購入したことがきっとあると思います。こうした薬が製薬企業で作られ、医療機関や薬局等を経由して消費者の手に届くまでのすべての過程で、薬学を基礎とした専門的な立場から関与しているのが薬剤師です。

薬剤師は幅広く

 また、薬剤師はこうした製薬関連以外においても、学校のプール開き前の水質検査や教室の照度検査などにもかかわっているなど、子供からお年寄りまでを対象として私たちの生活の中で幅広く公衆衛生の向上及び増進に寄与しています。

薬剤師になるには

 薬剤師になるには、まずは薬科大学か大学の薬学部で6年間学んで卒業し、薬剤師国家試験の受験資格を得る必要があります。この国家試験に合格することによって初めて薬剤師の資格を得ることができます。この資格を得た後、薬剤師の求人募集に応募することができます。

管理薬剤師の資格と仕事とは

 薬局を開設する時には、薬剤師国家資格を有する人が管理するか、あるいは、その薬局の社員の中に薬剤師がいればその人に管理を任せるでしょう。しかし、誰も薬剤師の資格を持っていない場合には、薬事法の規定に基づいて、新たに薬剤師を雇用して薬局の業務管理をさせる必要があります。各店舗毎に薬局の管理を行う薬剤師のことを管理薬剤師と呼んでいます。こうした管理薬剤師の業務内容については次のとおりです。

管理薬剤師による薬局開設者に対する意見陳述

 管理薬剤師は、薬局を管理するに当たり、業務を円滑に遂行するために必要な意見を開設者に陳述し、不備な面があれば速やかに改善しなければなりません。また、薬局に勤務する社員の資質向上のため、学会等の各種研修会に参加する旨を要請するなど、研鑚に努める必要があります。

管理薬剤師による医薬品の試験

 管理薬剤師は、薬局で取り扱っている医薬品の品質を確保していくため、専門的な立場から試験検査の必要性の有無を判断し、これを実施しなければなりません。自らの薬局の設備では実施できないときは、厚生労働大臣の指定した試験検査機関を利用して、その結果を確認する必要があります。管理薬剤師が行う医薬品の試験検査の対象項目は、保存環境に影響を受けやすい医薬品、取り扱いに注意を要する医薬品については計画的に実施するほか、包装が変色しているもの、長期間保存しているものなど品質について疑いのある医薬品についても、管理薬剤師の専門的な判断によって実施する必要があります。

管理薬剤師による薬局の記録

 管理薬剤師は、必要に応じて薬局の管理状況を記録しておく必要があります。管理記録の記載事項としては、試験結果の実施結果、不良品等の処理結果、構造設備の点検項目や自身の勤務状況等、薬局管理全般について記載します。また、薬局開設者に対して管理薬剤師が意見陳述を行った時は、その内容と講じられた措置等も記載しておく必要があります。

管理薬剤師による薬局の兼務

 管理薬剤師は、薬局の管理業務に従事するものですから、他の場所での薬事の実務に従事することはできません。ただし、次に掲げる場合については、許可を受けたものと見なされ兼務が認められています。
・薬局の管理者が薬剤師会営薬局等において、夜間、休日等の調剤業務に輪番制で従事する場合。
・薬局の管理者が老人保健施設において、調剤、薬剤管理等の業務に従事する場合。
・薬局の管理者が指定居宅介護支援事業の管理者又は介護支援専門員を兼務する場合。
・薬局の管理者が学校薬剤師を兼務する場合。ただし、1校に限られます。学校薬剤師業務において、2校以上の学校を兼務する場合は、薬事衛生事務所又は保健所に管理者兼務許可申請を行う必要があります。
・公的な夜間・休日薬局の管理者が、夜間又は休日以外の時間帯において、他の薬局等の調剤業務に従事する場合(管理薬剤師としては従事できない)。

薬剤師の職場と仕事(調剤薬局)

 調剤薬局で行うべき薬剤師の仕事は、勤務する調剤薬局によって違いはありますが、最新の設備を備えた調剤薬局における薬剤師の仕事は、基本的に次のようなものとなります。なお、こうした調剤薬局の薬剤師の求人募集は、定期採用というものはあまりなく、随時行われるケースが多いようです。

薬剤師による受付

 調剤薬局に患者さんが来局されたら、最初に、薬剤師は受付カウンターで処方せんを預かります。お薬手帳を持っている方であれば一緒に預かります。病気になると誰しも多少にかかわらず不安な気持ちになるので、そんな患者さんの気持ちを少しでも和らげるよう、薬剤師は心のこもった対応を心がけています。

薬剤師による薬歴確認

 薬剤師は患者さんから受け取った薬の処方せんの内容をインタビューフォーム・過去の薬歴情報などと比較しながら確実に確認をします。薬剤師がレセプトコンピューターに患者さんのデータを入力することで、薬の相互作用や重複投与のチェックも行うことができます。この際には、どんな小さな疑問点も見逃すことなく、疑義照会や様々な情報の確認を徹底することで、調剤の過誤防止を行います。

薬剤師による薬の調剤

 薬局にはとても多くの種類の薬が管理されています。薬剤師はその中から医師が処方した通りの薬を調合していきます。1回に数種類の薬を服用する患者さんの場合は、薬剤師は飲み間違いが起こらないように、薬の分包機を使って1回分ずつパッケージしていきます。

管理薬剤師による最終チェック

 患者さんに薬を渡す前には、薬剤師が薬剤調整を行った薬と処方せんを照合し、最終的なチェックを行います。分包機によって透明のフィルムでパッケージされた薬も管理薬剤師が1包ごとに中身をチェックしていきます。この薬の種類を見分けるには、形や色、錠剤に刻まれている薬名コードを基に判断するため、これを間違いなく認識している管理薬剤師が最終チェックを担当します。

薬剤師による薬の説明

 薬を渡す際には、薬剤師は、薬の種類や効能、服薬の用法・用量などを専門用語を使わずに、一般的なわかりやすい言葉を使って患者さんに説明していきます。さらに、薬剤師から一方的に薬の説明するだけでなく、例えば、副作用など患者さんが不安に思っていることがないかを尋ねながら、一人ひとりに合わせた丁寧な対応に努める必要があります。最後に患者さん自身で薬の内容を確認してもらい、会計を行います。

薬剤師による薬の記録

 調剤薬局における最後の仕事として、薬剤師は、患者さんの服薬状況、服薬中の体調の変化、副作用の有無、他科受診の有無、併用薬の有無などを細かく「薬剤服用歴管理記録簿」に記録します。薬の中には相性の悪い飲食物などもあるため、その摂取状況についても記入しておきます。こうした作業については、最近の調剤薬局の中には音声入力によるボイス薬歴機器を導入している店舗もあります。

薬剤師の仕事(調剤業務)

薬剤師の調剤業務の定義

 薬剤師の仕事で一番代表的な業務といえば調剤業務になります。ここでいう調剤の定義については、かなり前になる大正6年3月19日に、今の最高裁判所にあたる大審院の判決で「一定ノ処方ニ従ヒテ一種以上ノ薬品ヲ配合シ若クハ一種ノ薬品ヲ使用シテ特定ノ分量ニ従ヒ特定ノ用途ニ適合スル如ク特定人ノ特定ノ疾病ニ対スル薬剤ヲ調製スルコト」とされています。つまり、処方箋に従って、患者の薬を調製することと限定的に定義されています。

薬剤師の調剤業務の変化

 しかし、現在の薬剤師の調剤業務においては、医師の処方箋通りに薬を正確かつ迅速に調製するだけでは必ずしも十分とはいえないような状況になってきています。この業務は基礎的なもので、これ以外にも、薬剤師の調剤業務としては、薬の有効性や安全性を確保して適正な使用を推進する必要があります。即ち、医師から処方された薬に関する副作用の有無や患者が併用している薬との相互作用などについて、患者の体質やアレルギー歴、これまでの服薬状況等をまとめた記録と照合したり、あるいは、患者との質疑の中で疑問点があれば処方医に照会したうえ改めて調剤することも必要となっています。

薬剤師の服薬指導

 さらに、調剤した薬はそのままでは単なる物です。薬として適切に服用されるためには、薬剤師は個々の患者に合わせた服薬指導も行う必要があります。また、薬剤師には処方医に対しても、患者の状態による必要な情報を提供することが求められるようになってきており、こうした業務を遂行するに当たっては、薬剤師には薬に関する最新情報の収集と整理も重要な業務として求められています。

薬剤師の調剤業務が多様化

 病院に勤務する薬剤師の場合であれば、薬剤部門内での調剤業務が主な仕事となっています。しかし、最近では、それに加えて、医師が適切な投与量を判断するために、投与している薬の成分について血液中の濃度を検査したり、医師と共に入院患者の病床に赴き、薬剤師が患者に対して、治療のため使用している薬の服薬指導や注射薬の管理などを行う臨床活動も活発になってきている状況にあります。さらには、町の薬局においても、薬剤師の仕事として、調剤室内での調剤業務に加えて、外に出かけていき、寝たきり老人など在宅患者の家を訪問して、服薬指導や薬剤管理指導などを行う在宅医療業務も増えてきている状況にあります。

薬剤師の職場と仕事(病院)

病院薬剤師の求人募集

 近年になってから、これまで病院の中で薬剤師が薬を調剤していたものが、医薬分業が急速に進んだ結果、また、病院の経営がかなり合理化されたことによって、薬剤師を定期的に求人募集して採用するケースというよりも、薬剤師に欠員ができた時に随時、求人や募集を行う病院が多くなっています。こうした理由から、病院への薬剤師の就職が現在のところ狭き門となっているのが現状です。また、病棟業務においては高度な知識が求められるため、特に、修士課程修了者の薬剤師が望まれており、今後は、新たな制度となった薬学部6年制課程卒業生に門戸が開かれていくことになると思われます。

病院薬剤師の仕事の内容

 病院の薬剤部門に勤務している薬剤師の仕事としては、内服薬・外用薬などの調剤、注射・点滴の調剤、病棟における服薬指導、ナースステーション内の常備薬の管理など行っています。薬剤師の勤務時間は概ね8:30~17:30の8時間勤務となっていますが、薬剤師の業務は結構忙しいため、病院によっては時間内に終了せず残業があることもしばしばです。病院の薬剤師の求人募集に応募した場合、面接時まで進むと「体力には自信ありますか?」と質問されることがしばしばあります。というのも、薬剤師として病院で実際に働いてみると、注射液などはとても重いので量がかさばると運ぶにもかなりの力が必要となり、しかも基本的には立ち仕事だからです。薬剤師は、結構、体力勝負の面があります。

病院によって違う薬剤師の仕事

 また、一口に病院勤務の薬剤師といっても次のような条件によっては、病院によってかなり仕事内容が異なってきます。
・夜勤のシフト体制
・薬局内で取り扱う処方箋の枚数
・病棟業務の有無
・クスリの取扱種類(後発品を使っているか)
・麻薬の取り扱いや、薬品の在庫の調べ方や管理方法
・錠剤分包機など調剤機器の種類
・薬歴の書き方や管理方法

大病院の薬剤師のジレンマ

 病院の薬剤師への就職を希望する薬学生は多いのですが、「とにかく大きな病院で勉強すれば、いい薬剤師になれる」という思いは間違いであるケースが多々あります。というのも、病床数や診療科目が多く、薬剤師がたくさんいる大病院で全てのことはできないからです。十数名も薬剤師がいる大病院の院内薬局では、小さな病院よりも仕事が細分化されているところがほとんどなので、例えば、いったん調剤を任されたのであれば、朝から晩まで機械のように調剤をする毎日を送るというのも珍しいケースではありません。中には薬剤師としての服薬指導を勉強したくても、大病院であればベテランにならないと受け持つことができないといったケースもあります。こうしたことから、単純に大病院の薬剤師が勉強になると考えるのではなく、まず、自分が病院薬剤師として何を最初に身につけたいのか、よく考えて求人募集に応募する病院を選ぶことが大切だといえます。

学校薬剤師とは

 学校薬剤師は、学校保健法という法律の規定によって定められた薬剤師のことで、各地域の学校に出向いて学校内の環境衛生に携わる仕事を行ってます。学校薬剤師は公立学校であれば、教育委員会から任命されることになります。

学校薬剤師の仕事

 学校薬剤師の具体的な仕事としては、学校の飲料水の検査やプール開きの前や途中の水質検査、給食室や給食自体の衛生上の検査、教室の照明の照度や空気の汚れ具合などの検査を行い、学校環境の衛生が適正に保たれ、児童生徒が適正な学習環境で勉強できるように学校を指導しています。

学校薬剤師による15項目の検査

 学校薬剤師は、公立学校であれば、学校設置者である市町村や都道府県の教育委員会の学校保健担当部局と連携を取りながら、各学校における環境衛生検査を定期的に実施し、その結果に基づいて、事後処置並びに指導や助言を行うことを仕事としています。教育委員会は、学校薬剤師からの専門的な指摘を受け、それを改善するための施設整備などを行っています。学校薬剤師の学校における検査の項目としては、照度及び照明環境、防音環境及び騒音レベル、教室の空気、飲料水の検査、学校給食の食品衛生、水泳プールの管理など15項目が定められています。しかし、毎回15項目全部の検査をするというわけではなく、各学校の環境衛生の実態に基づいて実施すべき検査が事前に決められています。

学校薬剤師は非常勤職員

 学校薬剤師は、小学校、中学校、高校、どこの学校にも必ず配置されています。その割には、学校薬剤師という人をまったく見かけないなあと思うかもしれませんが、学校の先生のように、毎日学校に通勤するというわけではなくて、必要に応じて学校に出向く、いわゆる非常勤の地方公務員という形で任命されているからです。学校薬剤師は、非常勤職員であることから、この仕事だけで生活ができるほどの報酬は支給されないので、学校薬剤師は普段、調剤薬局などに勤務している人がほとんどを占めています。

薬剤師の職場と仕事(企業)

企業の品質管理部門の薬剤師

 食への安全安心を揺るがすような事件が多発している現在、医薬品・化粧品や健康食品など人体に触れたり食べたりする商品を取り扱う企業が、品質管理部門の将来を担う人材として、薬剤師を積極的に求人募集をかけて採用する傾向となっています。特に、医薬品に関連する企業においては、薬剤師の採用に関して積極的に求人や募集をかけています。こうした背景には、ドラッグストアの積極的な新規店舗の展開や薬学部が6年制へと移行したことの影響で 新卒の薬剤師の採用ができないことなどがあります。また、医薬品関連企業が臨床開発部門を強化するために、専門的知識が必要となる臨床開発モニター(CRA)に薬剤師を登用するケースも数多くあります。

企業における薬剤師の仕事内容

 こうした製薬会社などに勤務する薬剤師の仕事は、大きく2つのタイプに分けることができます。まず、一つ目は薬を作ることに携わる仕事です。この薬剤師の仕事は、既に認可され製造方法が分かっている薬を製造したり、あるいは、新薬の研究をする業務です。また、勤務する会社の業務内容によっては、薬剤師の仕事は薬品だけに携わるのでなく、化粧品や洗剤、農薬などの研究・開発、さらには商品化といった業務に携わることもあります。もう一つの仕事は、薬が正しく使われるように医療関係者に対して指導助言を行うことです。薬を実際に使用するのは、病院の医師を中心とする医療従事者ですが、ここでの薬の使用経験は各個人の経験の粋内に留まっています。特に、新薬を使用する場合には、全く情報がない中で使用するため、製薬会社の薬剤師が薬についてのデータなどを提供しています。

企業の薬剤師は幅広く

 企業の品質管理部門での仕事は、薬剤師と同じ内勤の勤務となりますが、自社製品の品質管理、薬事、アライアンスなどに従事することがその中心となります。この部門は薬剤師にとっても、開発業務の相談を請われたり、カタログや広告・パッケージの薬事法に基づくチェックをしたりと、企業内のさまざまな部門の人たちとの交流もあり、頼りにされることが多い部門です。こうした薬剤師の仕事は、さまざまな種類の仕事に積極的に関わっていき、幅広い分野の知識、スキル、人脈を得たいと考える薬剤師にはとてもお勧めの仕事といえます。こうした企業には外資系企業も多いため、薬剤師の中でも語学力を活用したいと考えている薬剤師には、まさにやりがいのある仕事といえます。さらには、薬剤師業務における残業も少なめで、休暇もしっかりとることができ、仕事と家庭をエンジョイできる企業が多いのも特徴といえます。

薬剤師になる方法

薬剤師になるには薬学部へ進学

 薬剤師になるには、高校を卒業して薬科大学又は薬学部のある大学に進学するところから始まります。薬学部は従来4年制大学でしたが、制度の変更に伴い現在では6年制となっています。薬学部の授業料は文系に比べると結構高くつき、私学の大学の薬学部では、6年間の授業料の総額が1,000万円を超えるところがほとんどなので、経済的な面からも保護者とよく相談して検討する必要があります。

薬剤師になる薬学部は厳しい

 試験に合格して、晴れて薬学部に進学すると、実習なども含めて6年間みっちりと薬剤師に必要となるための知識や資質などを学びます。特に、私学の薬学部では薬剤師の国家試験の高い合格率を売りにしている大学も多く、そうしたところの薬学部での授業や前期・後期の試験はかなり厳しいところが多く、文系の大学のように入学してしまえば遊び放題というわけにはいきません。かなりまじめに勉強しないと、薬学部の授業についていくことができないどころか、試験の点数が悪いと留年するケースも結構あります。薬学生の中には、「前期・後期のテスト前には、大学入試の時よりも勉強している。」と真顔で言っている学生もかなりいます。

薬剤師の薬学部と実習

 薬学部の授業では、こうした大学内の勉強に加えて、6年制の薬学教育の中では、6か月間の薬剤師業務に関する実務実習が必修となっています。通常、4年次の後期に、実務実習に向けた事前講習が大学内で病院の薬剤師や薬局の薬剤師も指導者として加わり、模擬症例の処方せんに基づいた調剤実習などがケーススタディとして行われています。5年次に行われる実際の病院での実習においては、患者の処方箋による調剤業務、医薬品管理業務、医薬品情報業務などの病院薬剤師業務の実際を現場で学ぶことになります。また、調剤薬局における実務実習は、保険処方箋による保険調剤に加えて、一般の医薬品などの供給や管理に加えて、薬の情報提供や健康相談、医療機関との連携や在宅医療での薬剤業務など地域とのかかわりを含めて学ぶことになります。このように、薬剤師になるための実習では、医療分野はもちろんのこと、地域保健活動や福祉・介護分野における薬剤師の新しい役割についても学ぶことになります。

薬剤師の名簿登録

 こうして薬学部で6年間、十分に薬剤師としての知識と実務を学んで単位を取得して卒業することになると、薬剤師の国家試験の受験資格を得ることができます(受験は卒業見込みで可)。この薬剤師の国家試験に合格した者には、厚生労働大臣から合格証書が交付されるので、それを持って登録申請を行い、薬剤師名簿に登録することによって薬剤師の免許を厚生労働大臣から与えられるので、そこでやっと薬剤師として求人募集に応募して働くことができるようになります。

私立大学の薬学部の偏差値

 全国にはいくつもの薬学部を設置している大学がありますが、薬剤師国家試験の受験資格が取得できる私立大学の薬学部及び薬科大学の偏差値は下記のとおりとなっています。

薬剤師になるための大学の偏差値と定員割合

偏  差  値          定員
     H17    H19   割合    大学
------------------------------------------
     64     63    1.16   東京理科大学

63 62  1.09 京都薬科大学
60 62  1.03 共立薬科大学

62 60  1.01 北里大学
62 60  1.06 福岡大学
61 60  1.03 大阪薬科大学

61 59  1.03 星薬科大学
60 59  1.15 近畿大学

61 58  1.18 神戸薬科大学
59 58  1.02 名城大学
59 58  1.08 明治薬科大学

60 56  1.06 東邦大学
59 56  1.09 東京薬科大学
59 56  1.07 昭和薬科大学
58 56  1.01 昭和大学

58 54  1.04 神戸学院大学
58 54  1.01 武蔵野大学
57 54  1.28 愛知学院大学
57 54  1.12 崇城大学

57 53  1.16 武庫川女子大学
59 53  1.65 摂南大学
57 53  1.41 同志社女子大学
57 53  1.07 北海道医療大学

57 52  0.99 東北薬科大学
55 52  1.09 日本大学
55 52  0.71 福山大学
52   - 安田女子大学
52  0.84 松山大学

56 51  0.76 就実大学
54 51  1.33 広島国際大学
52 51  1.12 城西大学
51  0.84 長崎国際大学

55 50  0.82 九州保健福祉大学
54 50  1.20 北海道薬科大学
54 50  1.10 帝京平成大学
54 50  1.06 千葉科学大学
53 50  1.07 北陸大学
50   - 兵庫医療大学

53 49  1.01 国際医療福祉大学
53 49  0.98 城西国際大学
49  1.09 高崎健康福祉大学
49  1.04 大阪大谷大学

55 48  0.82 徳島文理大学
53 48  1.07 帝京大学
53 48  0.62 徳島文理大学香川

55 46  1.10 金城学院大学
54 46  1.51 新潟薬科大学
46   - 岩手医科大学
46   - 姫路獨協大学

47 45  1.01 日本薬科大学

43 44   1.36 第一薬科大学

48 42  0.43 奥羽大学
42   - いわき明星大学
42  1.14 横浜薬科大学

51 41  0.63 青森大学
------------------------------------------

大学の薬学部の授業内容その1

 薬剤師の国家試験の受験資格を取得するためには、現在では6年制となった薬学部で学ばなければなりません。大学によって薬剤師を目指しての6年間の学習方法はさまざまですが、基本的には下記のようになっています。薬学部の授業内容は大学の募集要項やホームページなどで確認しておきましょう。また、ほとんどの大学が薬剤師の国家試験の合格率を競っているため、薬学部における授業やテストはかなり厳しいものになっています。

薬剤師を目指した充実のカリキュラム

 薬学部のカリキュラムはシラバスに基づいて行われますが、専門教育科目における高度な知識・技能の修得はもちろんのことですが、学年の後半になると、1か月の実務実習の事前教育と5か月間に及ぶ病院・薬局の現場実習が中心的な役割を担っています。しかし、薬学部の授業は単にそれだけに止まらず、最近ではますます進む国際化に対応していくため、薬剤師に求められる実践的な英語力の修得を重視した教育のほか、少人数グループに分かれた演習科目、さらに卒業年次には研究室での卒業研究を通じて探究心と思考力を育成し、問題発見・解決型の薬剤師の養成を目指した授業が行われています。

薬剤師を目指す準備教育

 薬学部の入学当初の授業では、高校教育から大学教育への導入を円滑に進めていくために、薬学の前段階の準備教育として、1年次の前期に早期体験学習を行っている大学があるほか、生物学、物理学、数学、統計学、情報リテラシーなどの基礎教育科目を設置している大学がほとんどです。このうち早期体験学習は、大学卒業後に薬剤師になるという目的を明確にして、医療に携わる人間としての自覚を早い段階から持たせるため、実際に病院や薬局、福祉施設、知的障害者施設などへ出向き、医療現場を身を持って体験します。また、数学や生物といった薬学の基礎教育科目、教養科目の英語については習熟度別にクラスを設定している大学の薬学部もあります。

薬剤師に必要な英語

 薬剤師にとっては、薬学に関する文献を読む時や、あるいは、将来、薬剤師として現場の仕事においても、英語力は必須なものになります。このため、薬学部によっては、3年次終了までに英語を必修科目として設定していたり、1~2年次は教養教育科目として、3年次では専門教育科目に「薬学英語」を設置しているところがあります。4年次になると、実用薬学英語、5~6年次では英語文献の講読を取り入れるなど、薬学部の6年間を通じて英語を学べる環境を構築している大学がほとんどです。


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