地上デジタル放送を理解するうえで、必要となる基礎用語とその意味は次のとおりです。
D-VHS
デジタル方式の録画器でD-VHS(ディー・ヴィエイチエス/データ・ヴィエイチエス)とは、従来の家庭用VTR(ビデオテープレコーダー)のVHS方式をベースに日本の企業が開発したデジタル放送に対応した方式。
HD-DVDレコーダー(ハードディスクレコーダー)
デジタル方式の録画器でHD-DVDとは、新たに策定されたデジタルハイビジョン録画規格。CD/DVDと同じ12センチメートルのディスクに、片面一層15ギガバイトの録画用HD DVD-Rでは地上デジタルハイビジョンが約115分録画・再生できる。
UHFアンテナ(UHF)・VHF
電波(総務省電波利用ホームページへ)の周波数を帯域でグループ分けした表し方。一般に周波数が30MHz以下を長波、中波、短波と呼び、主にラジオ放送や船舶における衛星を介さない通信などで使用されている。そして概ね30MHzから300MHzまでをVHF(ブイエイチエフ:Very High frequency、超短波)またはVHF帯と呼び、FM放送や地上アナログテレビ放送などで使用されている。さらに、概ね300MHzから3ギガヘルツまでをUHF(ユーエイチエフ)=Ultra High Frequency(極超短波))またはUHF帯と呼び、地上アナログテレビ放送や携帯電話などで使用されている。地上デジタルテレビ放送もこのUHF帯を使用しており、周波数は470MHz(13チャンネル)から770MHz(62チャンネル)(2012までに710MHz(52チャンネル)に集約)である。
電波を効率よく受信するためのアンテナは、それぞれの周波数帯に適するよう製作されており、UHF帯を効率的に受信するためのアンテナをUHFアンテナと呼んでいる。なお、テレビ放送を受信するためのUHFアンテナでは、より効率的に電波を受信するため、13チャンネルに近い低い周波数のチャンネル用(L)、中間のチャンネル用(M)、62チャンネルに近い高い周波数のチャンネル用(H)といった区分がある場合があり、アナログテレビ放送を見ていたUHFアンテナでは地上デジタルテレビ放送が見られない、などの現象を生じることがあるため注意が必要である。
あ行
アナログチューナー付パソコン
アナログテレビ放送を受信できる機能を付加したパソコン。
誤り訂正
電波が送信所から受信機に至るまでには様々な雑音にさらされる。したがって、受信側で送信元の情報を再生する際に、雑音で欠落したデータなどを補正・訂正するため、送信データにあらかじめ補正のためのデータを付加しておき受信側で補正している。
か行
ガードインターバル
送信所からの電波は、建物などに反射して、様々な経路で受信側に到達する。これを「マルチパス」といい、マルチパスが生じると,送信所から受信点に直接届く電波に比べて、反射した電波が遅れて到着し、前後の信号が重なり合うため、受信側で正常に再生することが難しくなる。したがって、送信側では、電波に乗せるデータ一つ一つ、例えば一つのデータがABCDである場合、CDABCDと後半部分を前に付加して送出する。このCDをつけた部分またはその時間をガードインターバルといい、受信側ではCDの次のCDを検出して重ならない部分であるABCDを再生する。これにより、マルチパスで遅れて受信したデータが多少重なっても元のデータを再生でき、一定時間内の遅れであればマルチパスの影響を受けない仕組み。
協定書
受信障害の対策について、原因者側と住民側がその対策と双方の負担等について民事的に協議した結果を基に文書で取り決めたもの。
共同受信施設(辺地共同受信施設)
複数の世帯などでアンテナを共同利用し、有線によって多数の家庭に放送を送るシステムまたはその設備。「共聴施設」、「共同聴視施設」などとも呼ぶ。なお、施設の場所や設置の理由により様々な呼称がある。例えば、アパートやマンション、事業所などビルの屋上などにアンテナを上げて各戸へ配信するものを「ビル内共聴」、「館内共聴」などと呼ぶ。また、電波が届き辛い地域において敷設される施設をその原因により、建造物等によって遮蔽されることに起因して敷設されるものを「ビル陰共聴」、「都市受信難視対策施設」などと呼び、地形的な原因で電波が受信し辛いものを「辺地共聴」、「辺地共同受信施設」などと呼ぶ。
ゴースト、ゴースト障害
アナログテレビ放送の場合、一部の電波が例えばビルなどで反射して遅れて受信されることにより、正常な電波による映像のほかに2重3重に映像が映る。これをゴースト(ghost=直訳すると幽霊)と呼び、テレビの受信を妨げる。ゴーストによる受信障害をゴースト障害と呼ぶ。
さ行
再送信
地上放送などをケーブルテレビなどでそのまま編集を加えないで送信すること。有線テレビジョン放送法は、ケーブル事業者などが地上放送を再送信する場合は、地上放送事業者の同意を得ることを義務付けている。
施設規模
共同受信施設に加入できる世帯数。
施設利用者
補償施設を利用して放送の受信をしている者。
周波数変換型ヘッドアンプ(ミッドバンド)
共同受信施設などにおいては、受信アンテナから増幅器を経て各戸に配信されるが、受信した電波をアンテナ直下で増幅する機器をヘッドアンプといい、伝送過程において減衰した電波を増幅する機器を幹線アンプ、伝送路アンプなどという。また、受信した放送波を周波数(チャンネル)変換して伝送する仕組みを用いる施設があり、周波数変換と増幅の両方の機能を有するヘッドアンプを周波数変換型ヘッドアンプという。
なお、増幅器には、VHF帯の放送周波数のみを増幅するもの、3チャンネルから4チャンネルの間の周波数(ミッドバンド)を含めVHF帯全ての周波数を増幅するもの、UHF帯を含めて全てを増幅するもの、などがある。共同受信施設によっては、UHF帯をVHF帯に変換することですべてのチャンネルをVHF帯で伝送しているものもある。そのような施設において地上デジタルテレビ放送を再送信する場合、アナログテレビ放送と地上デジタルテレビ放送のそれぞれ6から7波の計12から14波を伝送する必要があり、最低でもミッドバンドにも対応する増幅器が必要となる。
受信障害、受信障害対策、難視聴
放送の受信が良好にできない状態。ビルなどの建造物や山、丘陵などによる電波の遮蔽または反射のほか、違法な電波による妨害などが原因で障害が起こる。
セグメント、OFDM
セグメント(segment)=直訳すると「部分」、「一部」。また、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing:直交周波数分割多重方式)は、地上デジタルテレビ放送で使用している伝送技術。この技術によって1つのテレビのチャンネルを、帯域約430kHzごとに13分割し、分割した一つ一つをセグメントと呼ぶ。地上デジタルテレビ放送では、12セグメントを使ってハイビジョン放送を送信しており、残りの1セグメントを使ってワンセグを送信している。
双方向サービス
地上デジタル放送の特徴の一つ。視聴者がクイズに答えたり、番組にリクエストしたり、視聴者が番組に参加できる機能。ただし、電話回線を地上デジタルテレビ放送に接続することが必要となる。
た行
地上デジタルチューナー(デジタルチューナー)
テレビ放送を視聴するには、受信機が必要であり、テレビ放送を受信する機能またはその部分を(テレビ)チューナーと言う。一般にテレビと言うと、画面を思い浮かべるが、電波を受信する受信機(チューナー)と映像を映し出す画面が一体となったもの。受信機(チューナー)は、それぞれの放送に対応した機種があり、デジタル放送を受信できる受信機をデジタルチューナーと呼んでいる。なお、地上デジタルテレビ放送に対応しているテレビ受信機は、地上デジタルテレビ放送のほか、地上アナログテレビ放送や衛星放送、CS放送にも対応したチューナーを装備しているのが一般的である。
通話エリア
携帯電話の通話エリアは、親局である基地局と子局である携帯電話が通話できる範囲を言い、相互の電波が到達し通信が可能となることが必要。
データ放送
地上デジタルテレビ放送の特徴の一つで、いつでも視聴者の地域のニュースや気象情報など、欲しい情報を見ることができる機能。
東海地域においては、愛・地球博を機に博覧会の情報をはじめ地域に密着した情報を試験的に放送された。現在では、防災情報や行政情報などを速やかに放送するため、自治体と放送事業者の間で情報のやり取りの方法などを開発する「研究会」などの動きが高まっている。
デジタルレコーダー
デジタル放送を録画する機器。
電子番組表
放送の電波と一緒に送信される放送予定番組の表。この番組表を基にチャンネル変更、番組録画などが簡単にできる。
伝送方式(CATV)
CATV(ケーブルテレビ)における放送波の伝送方式には2通りあり、受信した放送波をそのまま再送信する方式を「パススルー」方式、受信した電波をケーブルテレビの伝送に適した形式に変換して再送信する方式を「トランスモジュレーション」方式という。
な行
日本CATV技術協会
社団法人日本CATV技術協会のホームページへ。
は行
ハイビジョン
高精細度テレビジョン(High Definition television/HDTV)の通称。走査線の数を多くすることにより、高精細で臨場感のある鮮明な映像を楽しめる。
ブースター
受信した電波を増幅する機器。放送受信において、送信所から遠方にあるなどの理由で、到達する電波が弱い地域においては、高感度のアンテナを使用するほか、受信した電波を増幅して強くする必要がある。そのために増幅器が必要であり、一般にアンテナマストの中間などに取り付けられている。なお、到来電波が弱くない地域においても、家庭内にテレビが複数ある場合には、分配することにより電波が減衰するため、ブースターを設置している場合が多い。なお、増幅する周波数が限定されているものもあることから、設置する場合には注意が必要である。
ブルーレイディスクレコーダー
デジタル方式の録画器でブルーレイディスク(Blu-ray Disc)とは、新たに策定された
デジタルハイビジョン録画規格。
CD/DVDと同じ12センチメートルのディスクに、片面1層25ギガバイトの録画用BD-Rでは約180分の地上デジタルハイビジョン映像を繰り返し録画・再生できる。
放送周波数(チャンネル)
地上アナログ放送用の周波数は、VHF帯で90MHz(1チャンネル)から108MHz(3チャンネル)と170MHz(4チャンネル)から222MHz(12チャンネル)、UHF帯で470MHz(13チャンネル)から770MHz(62チャンネル)を使用している。
地上デジタルテレビ放送では、UHF帯の470MHz(13チャンネル)から710MHz(52チャンネル)までを使用するため、地上デジタルテレビ放送に完全移行することにより、これまでより70MHz分の周波数が不要となるため、これを携帯電話など他の用途に利用にでき、周波数の有効利用が図られる。
補償施設
受信障害の対策として原因者によって補償される共同受信施設等を単に補償施設と呼ぶことが多い。建造物による受信障害の補償等については、原因者と住民の協議等、民事的解決が原則であるが、昭和51年に郵政省(当時)が公表した指導要領では、戸別受信する場合に一般的に要する個人負担分を除き、原因となる建造物の所有者または管理者の責任によって共同受信施設を敷設する等して、良好な放送受信を確保できるようにすることが望ましいとされている。
なお、地上デジタルテレビ放送は受信障害を受け辛い方式を採用しているが、地上デジタルテレビ放送おいても、引き続き受信障害が残存する場合の考え方として、平成18年10月、総務省から、『地上デジタルテレビ放送がアナログテレビ放送から代替されるものであることから、従来と同様、原因者が引き続き応分の責任を果たすことが望ましい』との考え方が公表されている。
わ行
ワンセグサービス
ワンセグによる放送サービス。
ワンセグの受信可能なエリア
ワンセグの受信可能エリアは、地上デジタルテレビ放送の電波が届く範囲である。携帯電話の契約が切れることによりワンセグが受信できなくなる携帯電話端末もあるが、携帯電話の通話エリアとワンセグの受信可能エリアは異なる。