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更新March 31(Tue), 2009

地上デジタル放送の概要

地上デジタル放送は高画質・高音質

 地上デジタル放送を観るためにはアンテナ工事なども必要となってきますが、しかし、その最大の魅力は、何といってもテレビ画面が「高画質」、「高音質」なところにあります。電気屋さんなどで一度、地上デジタル放送のテレビの画面をご覧になると、これがデジタル放送なのかと、これまでのアナログ放送のテレビとのあまりにもの違いに驚かれるはずです。

地上デジタル放送は多機能

 地上デジタル放送では、画面の美しさ以外にも、デジタルならではの特長を生かして「電子番組表」を利用することができます。これは、今まで新聞のテレビ欄でチェックしていた番組表がデジタルテレビの画面内で確認できるほか、録画予約なども可能なことから、実際に使用してみるととても便利な機能というのが理解できます。また、番組を待たずともニュース、天気予報や災害情報などをリアルタイムで提供してくれる「データ放送」もとても便利な機能です。

地上デジタル放送へのためらい

 しかし、地上デジタル放送のメリットはわかっていても、自分の家のアナログテレビが、問題なく視聴できる間は、なかなか新たにデジタルテレビを購入する気になれないのが正直なところでしょう。実際に、「アナログテレビが故障して使えなくなったら、デジタルテレビに買い替えざるを得ないなぁ」と思っている方が非常に多いようです。しかも、現在のように景気がよくない状況では、テレビが映っているうちは、買い替えはもったいないと考えてしまいます。

地上デジタル放送への移行

 ただ、2011年7月24日には、すべて地上デジタル放送に移行することから、今のアナログテレビが視聴できなくなるので、それまでの時点でデジタルテレビへの買い替えか、地デジチューナーを購入する必要があります。

地上デジタル放送の特徴

地上デジタル放送はデジタルハイビジョン

 地上デジタル放送の対応テレビは、HD(High Definition)TVとも呼ばれ、 画質の精細さを示す走査線の数がアナログのテレビの2倍以上あります。このため、色彩も美しく、細かいところまでくっきりと見えるので、臨場感あふれる鮮明な映像を楽しむことができます。また、画面の横と縦の比率が、現行の地上アナログ放送の4:3の画面に比べ、人間の視野に合う16:9になっているので、迫力のある画面で迫ってきます。

地上デジタル放送の5.1chサラウンド

 地上デジタル放送の音声はCD並みの高音質を備えています。特に、5.1chサラウンド放送では、専用のアンプと6個のスピーカーで臨場感と迫力のある音響を楽しむことができます。5.1chサラウンド対応番組については、EPG(電子番組表)や新聞のテレビ欄などで確認することができます。

地上デジタル放送のデータ放送

 地上デジタル放送では、地域に密着したニュースや気象情報・災害情報など、生活に役立つ便利な情報をテレビリモコンの「d」ボタンを押すだけで、見たいときにいつでも「文字情報」や「静止画」で見ることが可能なサービスです。また、番組内容と連動しているデータ放送が行われている場合もあり、例えば、ドラマなら、番組を見ながらあらすじや登場人物を確認したり、スポーツであれば、試合経過や選手紹介などを見ることができます。

地上デジタル放送のEPG

 地上デジタル放送のEPGとは「Electronic Program Guide」の略で電子番組表のことです。テレビのリモコンでEPGボタンを押すと、テレビ画面にその日から1週間の番組表が表示されます。放送時間や出演者など、最新の番組内容の表示や検索、番組予約を行うことも可能です。

地上デジタル放送の字幕放送

 地上デジタル放送の字幕放送とは、セリフやコメントを文字テロップで表示するサービスです。地上アナログ放送の場合は、特別なアダプターが必要でしたが、デジタル放送では受信機の標準機能として字幕放送を見ることができるようになっています。字幕放送番組については、EPG(電子番組表)や新聞のテレビ欄で確認できます。

地上デジタル放送の双方向通信

 地上デジタル放送のテレビ受信機に電話回線やインターネット回線をつなぐことによって、テレビ局と双方向に情報のやりとりができるようになる機能です。リモコンの操作でクイズ番組に参加したり、テレビショッピングなどを気軽に楽しむことができます。別途、通話料が必要となる場合があります。

地上デジタル放送のマルチ編成

 地上デジタル放送では、ハイビジョン1チャンネル分で、現行のアナログ放送と同じ標準画質(SD)の2~3番組を同時に放送することができます。このことで、例えばスポーツ中継の延長時などに、メインチャンネルで時間通りドラマを放送しながら、サブチャンネルでスポーツ中継を引き続き行うことも技術的には可能です。

地上デジタル放送への変更理由

地上デジタル放送の目的

 テレビ放送のデジタル化の大きな目的の一つには、限りある電波帯の有効利用があげられます。一般的に考えると、電波は無限に使えるように思うかもしれませんが、現実には各周波数帯別に使用目的が割り当てられており、放送や通信に使用できるのも一定の周波数に限られています。日本の現状では、もうこれ以上増やすことのできないほどに過密に使われており、現行のアナログ放送のままではチャンネルが足りなくなってしまいます。しかし、データをより多く送信できるようにデジタル化すれば、チャンネルに余裕ができます。空いたチャンネルは、今後の情報通信技術活用社会、情報化社会の進展のために利用することが計画されています。地上デジタル放送はテレビの買い替えやアンテナ工事など、国民に一定の負担を強いるものですが、未来のためには必要不可欠のことなのです。

地上デジタル放送へ電波法が改正

 こうしたことから、2001年に電波法が改正となり、アナログテレビ放送による周波数の使用は10年以内に停止することになりました。これを踏まえて作成された放送用周波数使用計画(チャンネルプラン)では、その使用期限を2011年(平成23年)7月24日、つまり計画変更の公示日の2001年7月25日から起算して10年目の日と規定されました。これによりアナログ放送は2011年の7月24日までに終了することが決定されました。

世界の地上デジタル放送

 地上デジタル放送の歴史を振り返ってみると、1998年にイギリスでまず開始されました。現在は欧米ではアメリカやドイツ、イタリアなどで使用されており、アジアでは韓国や台湾、シンガポールなどで使われ、世界の20以上の国と地域で放送されており、デジタル放送は世界の潮流となっています。

地上デジタル放送の受信地域

地上デジタル放送の受信条件

 地デジを視聴するためには、次の3つの条件が揃っているかを確認する必要があります。
1:地デジの電波が、受信しようと思っている場所まで届いているか。
2:地デジの電波を受信できるアンテナが適切に設置されているか。
3:アンテナから送られた地デジの電波を受信できるテレビがあるか。

 しかし、このような地上デジタル放送の受信環境が整わなくても、ケーブルテレビ(CATV)を利用すれば地デジを視聴できます。詳細は、お住まいの近くのケーブルテレビ会社にお尋ねください。

地上デジタル放送の地域の確認

 地上デジタル放送が受信可能かどうかは、社団法人デジタル放送推進協会「Dpa」のホームページの「エリア情報」で確認することができます。郵便番号を入力すれば、地デジが受信可能かどうかすぐに確認することができます。

http://vip.mapion.co.jp/custom/DPA/

 住まいの地区で、現在、地デジの電波を受信できない場合でも、何年に受信可能かというチェックが可能です。

http://www.dpa.or.jp/chideji/area/index.html#02

 この他簡単なチェック方法としては、テレビの設置予定場所でワンセグ機能付き携帯電話を使い、各チャンネルの映像が受信できるかどうかで概ね判断も可能です。

地上デジタル放送用のアンテナ

 地上デジタル放送を受信するためには、UHFアンテナが必要になります。まず、自宅のアナログテレビ放送受信用にUHFアンテナが装備されているかどうかを確認してみてください。全国的に見ると、UHFアンテナの利用が圧倒的に多いのですが、東京都とごく一部の地区では、メインとしてVHFアンテナを使用し、補完としてUHFアンテナを使用している形態となっています。

地上デジタル放送対応のアンテナ

 UHFアンテナが設置されていても、地上デジタル放送を受信するためには、それだけでは十分でありません。UHFアンテナにはいろいろな種類があり、地上デジタル放送に対応できないアンテナもあるからです。つまり、一口にUHFアンテナといっても、全て同じではなく、チャンネルカバー範囲によって「全帯域用アンテナ」「LM帯域用(13~44 チャンネル用)アンテナ」「MH帯域用(31~62 チャンネル用)アンテナ」の3種類のアンテナがあります。

地上デジタル放送用のアンテナ工事

 既存のアンテナが「全帯域用」であれば全く問題はないのですが、その地域の地デジ放送の送信チャンネル範囲が、お手持ちのUHFアンテナの受信範囲に含まれていない場合は、アンテナの交換工事が必要になります。ここ4~5 年間に購入されたアンテナであれば「全帯域用」の可能性が高く、じれはアンテナの両端や同軸ケーブルの防水キャップが黄色になっているので確認することができます。また、「LM帯域用」か「MH帯域用」かについては、アンテナの横棒の長さに若干の差があるものの、外見ではどちらか判断するのは困難です。テレビにアンテナを接続して、視聴状況を確認することが必要かも知れません。

地デジアンテナの素子数

 地上デジタル放送の受信用のUHFアンテナの選択については、受信地域が地形の起伏や高層ビル、山、丘、森などで影響を受けるため、状況は変化します。実際は、最寄りの送信所からお住まいがどの程度の距離にあるかで、どういう地デジ用アンテナを選択すべきかが概ね決まります。アンテナの性能を表す基準の一つとして、「素子」という言葉を使いますが、これはアンテナを構成する横棒のことで、一般的には、この素子の数が多いほどアンテナ性能が高いということになります。

近距離の場合の地デジ用アンテナ

 お住まいが送信所から非常に近い近距離の場合には、14素子程度のアンテナか室内用アンテナも選択肢の一つとなります。これも一概には言えず、たとえ送信所に近くても、ビルや地形の状況によって電波がさえぎられ、地上デジタル放送が視聴できない場合があります。また、送信所と反対方向の部屋やアンテナの設置場所が部屋の奥などになるときには、室内の電波状況が悪くなり地上デジタル放送の視聴が難しくなると思われます。室内でアンテナを使用する場合、アンテナは送信所側に窓のある部屋で、できるだけ窓際近くに置くことが必要です。

中距離の場合の地デジ用アンテナ

 お住まいが送信所から中距離の場合(受信レベル中)には、室内用アンテナは使えないため、ある程度性能の高くなる14~20素子程度の地デジアンテナの設置工事が必要になります。

遠距離の場合の地デジ用アンテナ

 お住まいが送信所から遠距離(受信レベル弱)~受信エリアの端、あるいは若干外れた地域に相当する場合には、受信状態がかなり悪いので、20素子以上の多素子型地デジアンテナ又は高性能型地デジアンテナの設置工事が必要になります。

地デジ用アンテナの設置工事

 地デジ用アンテナ本体の価格は、14素子でも20素子でも6,000~8,000円程度ですが、一般的に別途設置工事費用がかかります。この工事費用は、設置場所などによりまちまちですが、概ね3万円程度と見積もっておく必要があります。この価格は、平均的な数値なので、あくまでも地デジ用アンテナ設置工事の目安としてください。実際の設置工事では、屋根の形状や高さ、その他機器の設置環境や条件によってアンテナ構成や工事費用が異なる場合もあるので、詳しくは電器店等にご相談ください。この際には、数社の工事業者から見積もりを取ることをお勧めします。

地デジ用アンテナをDYIで設置工事

 地デジ用アンテナは、UHFの特性上、高いところに設置しなくても十分に性能を発揮する場合がありますので、日曜大工などに慣れている人であれば、自宅のベランダに自分で設置工事を行うことも可能です。地デジ用アンテナを購入する際は、DHマークの表示があるものをおすすめします。

地デジ用アンテナのDHマーク

 (社)電子情報技術産業協会(JEITA)では、BS・110度CSの衛星放送及び地上デジタルテレビ放送ホーム受信用アンテナ・ホーム受信機器の性能及び品質の維持向上のために登録制度を定めています。この基準を満たす機器には、「JEITAデジタルハイビジョン受信マーク(DHマーク)」を付し、これを自主的に管理することによって良質なホームアンテナ・ホーム受信機器を審査・登録し、これらの製品の普及促進を図っています。

 地上デジタル放送用のアンテナ設置工事時には、次の点に注意することが必要です。

地上デジタル放送用のアンテナの向き

 地デジ用アンテナには指向性がありますので、アナログテレビ放送の送信所の位置と地デジの送信所の位置が違う場合には、アンテナの向きを変えることが必要となります。特に、アナログ放送でVHFとUHFの両方のアンテナを利用して視聴している場合には、デジタル放送でUHFアンテナだけにすると、アンテナの向きを変更することが必要となる場合があります。

地上デジタル放送用のアンテナの高さ

 これまでのアナログ用のVHFアンテナは、一般的に高さに比例してアンテナ出力レベルは高くなります。しかし、地デジ用のUHFアンテナでは、設置場所が高いからといって、必ずしもアンテナ出力レベルが高くはならないという特性があります。地デジの受信感度は、アンテナの高さが1m単位で大きく変化しますので、細かく調整をしてください。

地上デジタル放送用のアンテナレベル

 地上デジタルテレビの画面で「アンテナレベル」を確認することができますが、取扱説明書を参考に、設置時の目安値として活用してください。なお、これらの作業をする場合は、アンテナを設置する人とテレビ受信機でアンテナレベルを見る二人が、お互い連絡し合いながら進めると効率がよくなります。

地上デジタル放送用のアンテナブースタの取り付け

 アンテナ設置工事か完了して受信できるようになった地デジの電波は、同軸ケーブルや、分岐・分配器を通ると減衰してしまいますが、それを予め補っておく機器がブースタです。アンテナを直接地上デジタルテレビに接続した時に、格子状のブロックノイズの発生がないのに、分配器などの使用によってノイズが発生する場合には、アンテナのすぐ近くにブースタを取り付けることで改善できます。

地上デジタル放送用のアンテナブースタの注意点

 「アンテナレベル」「受信レベル」はCN比を表現したもので、ブースタは、必要な信号を増幅しますが、雑音も一緒に増幅するため、表示される値は低くなることもあります。ブースタを利用する場合は、次の3点に注意をしてください。

アンテナの近くに設置

 アンテナブースタの入力レベルが低すぎると、弱まった電波は強くできても信号の品質は改善できないので、出来るだけアンテナの近くに設置してください。

アンテナブースタは定格出力内

 アンテナブースタのは出力できる電波の強さに限界があり、定格出力(単位:dBμV)を超えると、格子状のブロックノイズが出たり、映像が映らなくなったりします。

アンテナブースタのNF値

 アンテナブースタのNF(雑音指数)が小さいほど信号の品質を劣化させず増幅することができるので、そういったものを購入しましょう。

アンテナ設置工事なしで地上デジタル放送を受信

 ケーブルテレビを契約していると、当然のことですが自宅の屋上にアンテナ設置工事を行うことなく地上デジタル放送を受信することができます。ケーブルテレビは、一般に月単位での有料契約となりますが、アンテナの設置や電波障害などを気にする必要がなく、どのような立地にあっても良好な地デジの放送を視聴できるのがメリットとなります。地デジ受信のための費用は、ケーブルテレビ会社によって異なっています。

ケーブルテレビの地デジ伝送方式

 ケーブルテレビは、伝送方式が会社によって異なり、「パススルー方式」と「トランスモジュレーション方式」の2つの方式があります。自分の所有するテレビで地デジが視聴できるかどうかをお近くのケーブルテレビ会社に確認しておくことが必要です。

ケーブルテレビの地デジ伝送方式の違い

 「パススルー方式」を採用しているケーブルテレビでは、地デジ対応テレビ又はデジタルチューナやデジタルチューナ内蔵録画機器で視聴できますが、「トランスモジュレーション方式」を採用しているケーブルテレビでは、ケーブルテレビ会社が提供する専用のSTB(セットトップボックス)が必要になります。ケーブルテレビ会社が不明な場合は、社団法人日本ケーブルテレビ連盟(03-3490-2022)にお問い合わせください。


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