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更新April 8(Wed), 2009

店舗の賃貸物件のテナントの種類

 店舗賃貸物件の種類としては、大きく分けると「スケルトン店舗」と「居抜き店舗」という二種類の賃貸物件の形態があります。この二種類の賃貸物件以外にも、両者の性質の中間的な賃貸店舗物件も仲介されています。

スケルトン店舗の賃貸物件

スケルトン賃貸店舗とは

 スケルトン店舗の賃貸物件とは、賃貸店舗を以前に借りていたオーナーによる内装や設備などがすべて取り除かれている賃貸店舗のことで、賃貸店舗に新たに入居するオーナーが自分の好きなように店舗の内装や調度品を設置ことができる賃貸物件のことを指します。つまり、店舗という外側の入れ物だけがあって、中身がない状態での賃貸店舗物件のことです。

スケルトン賃貸店舗の契約内容

 スケルトン店舗の賃貸物件の不動産賃貸借契約の内容としては、賃貸契約解除後の退店時には、入居する前のように何もないスケルトンの状態に店舗を戻すという「現状復帰」を規定する契約の場合がほとんどです。このため、店舗をたたんで退去する場合には、賃貸店舗の解体撤去の係る工事費用が必ず発生するので、そのための経費をあらかじめ準備しておく必要があります。また、場合によっては、不動産オーナーとの話し合いによっては、当初の契約上では店舗を現状復帰することになっていたとしても、これを新たに居抜き店舗物件として契約変更してもらえないかどうか交渉する余地があります。

居抜き店舗の賃貸物件

居抜き賃貸店舗とは

 一方、居抜き店舗賃貸物件とは、店舗の前のオーナーが施した内装や設備を残したまま賃貸に出されている店舗のことをいいます。居抜き店舗賃貸物件の場合には、当該賃貸店舗の前オーナーが内装や設備を買い取ってほしいという内装譲渡というケースと、そのまま譲り渡すケースの二種類の賃貸契約があるのが普通です。このうち、賃貸店舗の内装譲渡の場合には、前オーナーの内装や設備を買い取る形での契約になります。譲渡金額に関しては、事実上交渉次第なので、それによっては金額を減額してもらうこともできます。後者の居抜き店舗の場合については、譲渡金の経費はかかりません。

居抜き賃貸店舗の特徴

 居抜き店舗賃貸物件の特徴としては、店舗に係る改装費用などの新たな投資額が少なくてすみ、投資した資金も比較的早く回収できるというメリットがあるため、店舗オーナーを初めてやりたい方などにはお勧めの賃貸店舗といえます。しかし、いくら安くつくとはいえ、居抜き店舗の賃貸物件を借りるときにぜひ注意しておきたいことは、以前の店舗の内装や設備がしっかりと使用できるものなのか、あるいは、自分の店舗のイメージやセンスにマッチするのかなど、そのバランスを事前にしっかりと見定めておく必要があるのはいうまでもありません。

賃貸店舗の賃貸借契約書締結の意義

 賃貸店舗を借りるときには、居抜き店舗であろうとスケルトンてんぽであろうと賃貸借契約書を締結する必要があります。賃貸借契約書は、賃貸における貸主及び借主のお互いの約束事項として、民法の規定に基づいて作成し、書面化してお互いが所持しておくものです。この賃貸借契約は、どちらか一方にだけ有利、不利があるというものでは決してなく、お互いが納得して合意した事項を書面で残すという法律行為です。賃貸店舗の賃貸借契約書には、双方に非常に大切なことが取り決められ、文書で記載されているので、すべてをよく読み理解した上で、署名捺印をする必要があります。

賃貸店舗の賃貸借契約書のポイント

 店舗の賃貸借契約の場合では、通常、営業業種が特定して定められているので、その点は特に注意をしなければなりません。賃貸契約に定められている営業業種以外では、店舗を営むことができないからです。店舗の賃貸借契約の締結にあたり、特に重要な確認しておくべきチェックポイントは次のとおりです。
(1)物件の場所、所在地をチェック
(2)契約する物件の大きさ、内、外装等のチェック
(3)契約期間がいつからいつまでかチェック
(4)家賃以外に必要な費用のチェック。(敷金・手数料・共益費他)
(5)更新の際の手続き方法、費用のチェック
(6)解約する際の手続き方法、費用の精算方法のチェック
(7)営業業種のチェック
(8)特記事項、特約事項のチェック

賃貸店舗の賃貸借契約書の雛形

 一般的な店舗賃貸借契約書の雛形としては、次のような形式で契約文書が作成され、双方で所持します。

「店舗賃貸借契約書」

 賃貸人 〇〇 〇〇(以下、「甲」という。)と賃借人 〇〇 〇〇(以下、「乙」という。)とは、次の通り店舗賃貸借契約を締結する。
第1条 甲は別紙記載の甲の所有に係る店舗(以下、「本件店舗」という。)を乙に賃貸し、乙はこれを賃借する。
第2条 賃貸借期間は平成〇〇年〇〇月〇〇日から平成〇〇年〇〇月〇〇日までとする。
第3条 賃料は月額金〇〇〇〇円とし、乙は毎月末日までに翌月分を賃貸人の指定する銀行口座に送金して支払うものとする。
2 甲は経済事情の変動、公租公課の増額、近隣の家賃との比較等によりその賃料が不相当となったときは、賃料の増額をすることができるものとする。
第4条 乙は、本契約の履行を担保するため、敷金として金〇〇〇〇円を甲に預託するものとする。
第5条 乙は、本件店舗を○○○○以外の目的には使用しないものとする。
第6条 乙は、本件店舗を改装することができるものとするが、本件店舗の柱、屋根、土台、壁等の主要部分に変更を加えることはできないものとする。
第7条 乙につき、次の場合の一つに該当する事由があったときは、甲は何ら通知催告を要することなく直ちに本契約を解除できる。
(1)2か月分以上賃料が滞納されたとき
(2)その他本契約に違反したとき
第8条 本件店舗に関する公租公課及び電気、水道、ガス等の使用料は、全額乙が負担する。
第9条 本契約終了後は、乙は本件店舗を賃貸借成立当時の原状に復した上で、甲に完全に明け渡すものとする。
第10条 甲及び乙は、誠実にこの契約各条項を履行するものとし、この契約に定めのない事項の生じたとき、及びこの契約各事項の解釈について疑義を生じたときは、甲乙相互に誠意をもって協議解決するものとする。
第11条 前条の協議にもかかわらず生じた本契約に関する紛争については、甲の住所地を管轄する裁判所を第一審の管轄裁判所とする。
 以上、本契約成立の証として、本書を二通作成し、甲乙は記名捺印のうえ、それぞれ一通を保管する。


平成〇〇年〇〇月〇〇日
(甲) 住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目○番○号
    氏名 〇〇 〇〇    印
(乙) 住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目○番○号
    氏名 〇〇 〇〇    印

賃貸借契約に必要となる経費

 テナント店舗物件を新たに賃貸借しようとする時には、賃貸料だけではなく、その契約時に様々なお金が必要になります。こうしたことは賃貸契約の最も基本的なことですが、初めて店舗を借りる人は、知らないであわててしまうよりも、しっかりと事前に確認して経費に積算しておきましょう。

店舗物件の賃貸借時に要する保証金

 店舗物件を賃貸借するときには、保証金というものが求められます。この賃貸借の保証金は、賃借人が賃貸人に対して、賃貸借契約を締結する時に預け入れするお金のことです。店舗の賃貸借契約の期間満了時などで解約する時には、一括で賃貸人から返済されるのが一般的です。この保証金という仕組みは、賃貸店舗の建設資金を捻出するために、賃借人側に協力を求める建設協力金の発想で生まれた方法です。保証金は、賃借人側の不利益を避けるための、権利を保全する性格が強いものといえます。

店舗物件の賃貸借時に要する敷金

 店舗物件を賃貸借するときには、保証金というものが求められます。この賃貸店舗の敷金は、賃借人が賃貸人に、賃貸借契約を締結する時に預け入れるお金のことで、賃貸借契約の解約時には返却されます。敷金が保証金と違う点は、敷金は賃料を滞納した場合にその賃料分に充てたり、解約時に借りる前の状態に原状回復するための費用(いわゆる敷引き)に充当したりするケースが多く、貸主側の保全の性格が強い経費といえます。しかし、最近では、敷金の代わりに保証金を預ける場合も多く、また敷金と保証金の両方を預ける場合もあり、様々な契約スタイルがあります。。

店舗物件の賃貸借時に要する権利金

 店舗物件を賃貸借するときには、権利金というものが求められます。不動産の賃貸借における権利金とは、その物件の賃貸権を買うお金のことで、第三者に売買することもできるものです。元の売り手に権利を返して、権利金が返却されるということは、原則としてありません。最近の店舗の賃貸借契約では、賃貸借の権利だけを売買することはほとんどなくなっています。

店舗物件の賃貸借時に要する礼金

 店舗物件を賃貸借するときには、礼金というものが求められます。この礼金は、店舗の賃貸借のお礼として賃借人から賃貸人に払うお金で、返却されないお金となります。賃貸借の礼金は敷金や保証金と同時に支払われることがほとんどですが、賃貸店舗の入居者の減少などによって礼金を不要とする賃貸借のケースもあります。

店舗物件の賃貸借時に要する仲介手数料

 店舗物件の賃貸借を探すときに不動産業者に依頼したときには、不動産の仲介手数料が求められます。仲介手数料は、不動産業者を通して不動産の売買や賃貸契約を行った場合に、その不動産業者に支払う手数料のことで、その金額は宅地建物取引業法に定められています。売買の場合は売り主、買い主双方が売買総額の3%プラス6万円をそれぞれ不動産業者に支払います(ただし売買価格が400万円以下の場合は、200万円までは5%、2000万円を超えるものは4%)。賃貸の場合は、月額賃料の0.5か月分を借り主、貸し主がそれぞれ払うこととなっていまが、実際には、借り主側から家賃の1か月分を受領し、貸し主側からは受領しないところが多くなっています。

店舗の賃借人の原状回復義務

 店舗賃貸物件の原状回復については、契約満了時や契約解除時に賃借人と賃貸人との間でトラブルが発生することが時々生じることがあります。そもそも賃貸店舗の破損等の修繕については、賃貸料を取っている以上、法律では賃貸人が負担するのが原則です。賃貸人が収受する賃貸料は、店舗の賃借人の通常の使用・収益に対する対価として修繕費用なども含まれているという原則によるからです。このため、店舗の賃賃貸借契約の条項において「原状回復義務の特約」が定められていない限りは、賃借人に原状回復義務は発生することはありません。

店舗の賃借人の原状回復義務の特約

また、店舗の賃貸借契約書に原状回復の特約条項を記載してあるからといって、賃借人はどのような原状回復義務でも負うわけではありません。本来は賃貸人が負担するべき店舗の修繕費用などを賃借人負担とするものですから、通常の店舗の使用に伴って生ずる経年変化などによる自然的な店舗の消耗は原状回復義務の対象とはなりません。しかし、この賃貸借契約の特約について、賃貸人が賃借人に対して明確な説明をした上で両者の合意がなされているならば、賃貸店舗の原状回復の特約条項によって、自然損耗・経年劣化についても賃借人にその修繕費用を負担させることができます。しかし、適切な説明と明確な合意がなければ、賃貸店舗の原状回復特約は効力が認められない場合があります。

店舗の賃借人の原状回復義務の無効

 また、いくら当事者間で賃貸店舗の原状回復特約について合意があったと認められても、例えば「賃借人は、本賃貸店舗物件をその費用と責任において、本物件の竣工当時の状態に復した上で賃貸人に明け渡さなければならない。」などという明らかに社会的妥当性を逸脱するような特約内容では公序良俗違反としてその合意は無効とされます。つまり、賃貸契約書に、こうした賃貸店舗の原状回復の特約が書かれており、双方が署名捺印していても効力は生じないので、原状回復する必要はありません。

賃貸テナントの店舗造作譲渡料

 最近行われている店舗賃貸借契約においては、賃貸権や営業権だけの譲渡というものはほとんど認められていません。このため、せっかく賃貸した店舗に対して高い経費をかけた内装工事をしたとしても、解約してしまえば無駄な投資になってしまうことから、考え出されたのが店舗造作譲渡の仕組みといえます。

賃貸テナントの店舗造作譲渡料の内容

 店舗造作譲渡料とは賃貸店舗の前賃借人が施工した店内の造作や備品を、賃借人の承諾を得て、新たな賃借人に売り渡す費用のことで、いわゆる居抜き店舗物件の賃貸借の際によく見ることができる賃貸方法です。譲渡する側は、賃貸店舗内のすべての造作、備品を譲渡してもよく、あるいは、自分の譲渡したいものだけを譲渡することも可能です。賃貸店舗の造作備品を購入する側、つまり新たな賃借人としては、造作備品自体が使用可能なものなのか、必要な数量が足りているのか、あるいは自分がイメージする店舗にマッチするのかなど細部にわたって確認することが大切です。

居抜き店舗と造作譲渡料

 居抜き店舗物件のテナントの場合には、内部にかつての店舗用の造作がほどこしてあり、備品があります。この造作と備品を売買する契約が造作譲渡契約です。この店舗造作譲渡は、建前上はあくまで前の賃借人と新しい賃借人との間で行うもので、賃貸人との賃貸借契約とは別のものです。しかし、実際には、賃貸借契約を締結すると両者間で賃借権が発生するため、あえて造作譲渡契約書を作成せずに費用だけ支払う場合もあります。

テナント店舗賃貸借契約の契約解除

 テナント店舗賃貸借契約期間の満了前に契約が解除になるということことは、よほどのことがない限り、極めてまれなことといえます。テナント店舗の賃貸借契約については、借地借家法が適用されます。借地借家法26条1項では「建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。」とされています。

店舗賃貸借契約の契約解除には正当な理由が必要

 これだけを読むと、期間満了の1年前から6か月前までであれば、賃貸人は賃借人に対して店舗の契約解除を自由に申し出ることができるかのように思われます。しかし、建物(賃貸店舗)の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができないとされており、正当な理由がなく、一方的に店舗の賃貸借契約を賃貸人が解除することはできません。


テナント店舗賃貸借契約の契約解除理由

 しかし、賃貸店舗の家賃を何か月分も滞納するなど賃貸借契約を守らなければ、当然のことですが契約を解除されても文句を言うことはできません。また、賃借人が近隣に迷惑をかける行為を行ったり、違法行為や不法行為を行った時などには、賃貸店舗の賃貸借契約を賃貸人が解除することができます。例えば、マンションの1階にある賃貸のスナック店舗が県条例の定めに違反して、深夜3時までカラオケ騒音を撒き散らし、近隣に迷惑をかけ何度も注意を受けながらも繰り返していた事例で、店舗の賃貸人の契約解除と建物の明け渡しが判例で認められているケースがあります。

預り金【あずかりきん】
 敷金・保証金・建設協力金その他、不動産店舗の賃貸借に際し、後に返還されることを前提として、借主から貸主に預けられる金銭をいう。一般的には、敷金・保証金は、賃料や損害金の引当てにされ、賃貸借の終了時に残額が返還されるのに対し、協力金はこれを消費貸借にあらため、一定期間内に、金利を付して分割返済されるのが普通である。

居抜き店舗【いぬきてんぽ】
 以前に経営していた業種のままの内装や設計が付帯している店舗のこと。

違約金【いやくきん】
 契約に定めた事項に違反した者が、相手方に対して支払う金銭で、違約罰のひとつ。契約を締結する際、金額まで決めておくこともできる。

内金【うちきん】
 売買や請負など双務契約において全額の代金・報酬の支払に先だって支払われる一部の代金・報酬のこと。本来は代金の一部弁済にすぎず、手付ではないが契約締結の際の内金と称して支払われるものは、契約成立の証拠となりうる。ほかに解約手付の性質をもつことがあり、たんに使われる名称だけでなく、授受の金額・趣旨などにより合理的に判断されるべきものである。

覚書【おぼえがき】
 契約当事者の一方だけが署名捺印して相手方に差し入れる場合があるが通常、契約当事者の間に、契約の基本的事項を約定した基本契約書が出来ており、その基本的事項の具体的な細目を定める場合や補足する場合の書面として使用している。契約更新の際にも用いられる。法的効果は契約書と同じである。

解除【かいじょ】
 店舗賃貸契約の解除のこと。契約の一方の当事者の意思表示によって、すでに有効に成立した契約の効力を解消させて、その契約が始めから存在しなかったと同様の法律効果を生じさせることで、賃貸借などのような継続的法律関係を終了させ将来その契約の効力を消滅させること。いわゆる解約とは違う。

解約【かいやく】
 当事者の一方の意思表示により、賃貸借、雇用、委任、組合などの継続的契約関係を消滅させること。契約解除の場合、その効力が過去に遡るのに対して、解約は将来消滅の効力が生ずるとされている。民法上は解約と解除が混同して使用されており、明確な規定はないのが現状である。(民法541条、620条、625条3項等)。

解約手付【かいやくてつけ】
 当事者が契約の履行に着手するまでの間は解除権を留保し、解除したときは、買主または借主は手付金を放棄し、売主または貸主は、その手付金の倍額を返金することにより契約の解除ができるという趣旨で交付される手付金のこと。民法では解約手付を原則としており、また宅地建物取引業法では宅地建物取引業者が売主の場合は、受け取った手付金は解約手付とされ、その額は代金の20%が上限と定められている。手付金にはその他に「証約手付」「違約手付」がある。

解約予告【かいやくよこく】
 当事者のどちらか一方からなされる、賃貸借契約を消滅させるための意志表示のことをいう。借地借家法に細かい規定があるが、賃借人からは事務所、倉庫で3~6ヶ月、住居で1~3ヶ月、賃貸人からは6ヶ月が一般的である。ただし、賃貸人からは「正当の事由」が必要であり、立退料等が発生する場合もあるので簡単にはいかないケースが現状である。

期間内解約【きかんないかいやく】
 契約期間に定めがある場合について、その期間内に解約することができる特約。建物賃貸借契約の場合は、通常、退去の6ヵ月前までに予告しなければならないと定めているものが多い。期間内解約条項はあくまでも特約で、この特約がない場合は、契約期間途中の解約が行えない。借地借家法では、期間のある契約については、原則として期間内解約を認めていない。

期間満了【きかんまんりょう】
 不動産の賃貸関係において、当初定めた契約期間が終了することをいう。借地借家法では、定期借家を除き、借主と貸主間で異義がなければ、同一条件で更新すると定めているものが多い。

共益費【きょうえきひ】
(1)民法上複数の債権者にとって共通に利益となる行為に支出した費用の事。保存費用、競売費用、執行費用など。
(2)建物およびその敷地の賃貸借において賃料と別に支払われる費用の事。共益費、共有部分管理費等と称し、共有部分の水道光熱費、清掃・衛生費、修繕費、保安管理費、冷暖房空調費等の建物維持管理等に支払われることが多い。

共用面積【きょうようめんせき】
 エントランスやエレベータホールおよび廊下、トイレなどの各テナントが共用で使用する面積のこと。

契約年数【けいやくねんすう】
 一般の貸ビルでは2年又は3年契約が大半を占めているが、5年や10年以上のビルもある。ただし、この契約期間長、短いずれも余り意味がなく、テナントはいつでも解約申し入れができる。

契約面積【けいやくめんせき】
 賃貸借契約書に記載される面積のこと。専有的に使用する貸室使用部分の壁芯計算による面積を契約面積としている場合と、トイレなど共用面積を加えたケースがあるので、貸室のレイアウトを検討する際には実際に使用できる面積を確認する必要がある。

建蔽率【けんぺいりつ】
 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。建築物の敷地内に一定割合以上の空地を確保することにより、建築物の日照、通風、防火、避難等を確保するため、都市計画区域内においては、用途地域の種別、建築物の構造等により、その最高限度が制限されている。

継続賃料【けいぞくちんりょう】
 賃貸借契約が継続されているときの、契約が継続されることを前提とした賃料をいう。特定の当事者間において成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料のこと。これに対して、新たな契約を結ぶときの賃料が新規募集賃料という。

権利金【けんりきん】
 土地建物の賃貸借契約締結の際に授受される金額の事で、次の3種類に分けることができる。
(1)賃料の前払的性質を有するもの。
(2)建物の賃貸借の場合に、営業上の利益またはのれん代、老舗料として支払われるもの。
(3)賃借権設定の対価である権利金。尚、権利金は、原則として返還されない。

差押え【さしおさえ】
 裁判所の命令をもって、財産(特定の動産・不動産・権利など)の処分を禁ずること。通常は、金銭債権について強制執行をする場合に、換価を目的として、債務者の財産に対する処分権を剥奪し、その財産を確保する国の行為のことをいう。

サブリース【さぶりーす】
 借主(転貸人)が従来の賃貸借関係を維持しながら目的物件を第三者に賃貸することをいう。転貸借契約における入居者(転借人)と賃貸人との間には契約関係はなく、借主(転貸人)が自己の賃借権の範囲内で、第三者(転借人)のためにさらに賃借権を設定することをいう。原契約において、(1)債務不履行によって転貸人が契約解除された場合、(2)契約期間の満了に伴って契約が終了した場合は、転貸借契約についても同時に終了することになる。

敷金【しききん】
 賃貸契約時に借主が貸主に一定の額を預けておき、解約時に借主に返却されるもの。債務の担保としての性格を有し、解約時には、借主の滞納賃料等未払い金を差し引いて返還することができる。

善管注意義務【ぜんかんちゅういぎむ】
 善良なる管理者の注意を持って使用・占有する義務のこと。賃貸借契約において貸室を使用する借主に定められた義務。

専有部分【せんゆうぶぶん】
 マンションなど区分所有建物のうち構造上区分され、独立して住居、店舗、事務所などの用途に供することができる部分のことをいう。

専有面積【せんゆうめんせき】
 賃貸オフィスビルや区分所有建物の中で、独立して使用でき、占有者(入居者)・所有者一人一人が単独で所有できる部分を専有部分という。その面積のことを専有面積という。専有面積の算出方法は、壁芯計算(壁の厚みの中心線で囲まれた面積)と、内法計算(壁の内側の面積)の2つがあり、物件広告には壁芯計算による専有面積、登記簿には内法計算による専有面積が記載される。

セントラル空調【せんとらるくうちょう】
 セントラル方式で建物の1か所に設けられた装置から各室に冷水や温湯を送る方式で行う冷暖房のこと。定められた時間以外は、1部分のみの時間外空調はむずかしい。最近のビルは、フロアー単位や各室個別の空調設備を備えたものが多いが、1フロアーが300坪前後以上の大規模ビルでは個別空調には設備的に対応しきれないため、ほとんどがセントラル空調である。

造作買取請求権【ぞうさくかいとりせいきゅうけん】
 賃貸人の同意を得て借家人が付加した造作について、借家人が、賃貸借終了のときに賃貸人に対して、時価で買い取ることを請求できる権利のこと。

相殺【そうさい】
 債務をお互いが負っているとき、弁済期間がきていれば、互いに差引計算をして、互いの債務を消滅させること。特約で相殺しない契約をしたときのみ適用されない。相殺は、一方的に決定することができ、相手方の承諾は不要。ただし、不法行為が原因となって生じた債権・債務は相殺することができない。また、扶養料、労賃、失業保険金、厚生年金など差押さえが禁止されている債権も相殺はできない。また、借主が倒産した貸主に対して、預けた保証金と賃料債権を相殺することは原則として禁じられている。

相当賃料【そうとうちんりょう】
 借地借家法第32条「借賃増減請求権」第2項では、「建物の借賃の増額につい当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けたものは増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の借賃を支払うことを持って足りる」と定められてる。相当賃料とは、この場合の相当と認める額のことをいうが、法律上、明確な基準が定められていないため、当事者の主観でよいとされている。


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