屋上緑化の方法
日本国内の屋上緑化の方法は、集約型屋上緑化が主流となっています。特に、最近では、庭園や緑地・公園をつくる例が増えています。こうした屋上緑化を行う場合の植物の使い方は、地上で行っている庭園などの緑化の方法と同じため、集約的で本格的な管理が必要となります。また、屋上緑化で使用する培土は厚くなり、土の層も多層になることから、かなり大規模なものとなるため、自宅の屋上というよりも、むしろビルなどの大規模な建築物に適した手法といえます。
一方で、自宅で行う屋上緑化の方法としては、最近では、手軽に可能な屋上緑化として、植物用の培土も少量で薄くてすみ、乾燥にも非常に強いセダム類の植物を使った事例が増えています。
屋上緑化の目的
ここでもう一度、屋上緑化を行う目的を振り返ってみましょう。屋上緑化の目的は「ヒートアイランド化の防止」、「建物の断熱」といったことに少しでも寄与することといえます。しかし、最近の屋上緑化で使われているベンケイソウ科セダム属の植物は、CAM型光合成という特殊な光合成を行います。つまり、乾燥に耐えるために太陽の当たる日中は気孔を閉じています。このため水分の蒸散をほとんど行わずに蒸散効率も低いため、「植物の蒸散によって周辺温度を下げる。」という屋上緑化の目的の一つを達成することはできません。
屋上緑化とセダム類の植物
このことは、東京都の環境科学研究所でも検証された結果、同様のことを証明することができました。東京都は、従来から屋上緑化を積極的に推進してきましたが、この結果を受けて、現在では、セダム類以外の植物を植えるよう働きかけています。
外来種のセダムによる屋上緑化
現在、屋上緑化に使われているセダム類の植物は、日本国内の固有種ではなく外来種のため、種子などが風や虫・鳥によって拡散し、周辺の植物の生態系に影響を与えることも考えられます。ブラックバスやブルーギルが各地の湖で在来種の魚を絶滅寸前にまで追い込んでいるように、セダムは繁殖能力や乾燥にも強いため、植物の世界で同じことが起こらないとも限りません。セダムだけで公園や空き地が覆われるなど、環境のために行っている屋上緑化が環境を破壊することになっては本末転倒です。セダム類は管理がしやすいことから、これによる屋上緑化を勧める業者が多いのですが、屋上緑化の植物にはセダム類を使用しないようにしましょう。