桐箪笥の再生リフォーム
ある60年前の桐箪笥の再生実例です。その桐たんすの引き出しの金具は壊れ底板も裏板も割れて剥がれていました。この桐タンスは、太平洋戦争直後におばあさんがお嫁入り道具として持ってきた桐箪笥です。倉庫の中に長い間放置されていたものですが、自宅の新築に合わせて削り直しで再生したいそうです。
桐箪笥の削り直しの前段階
桐箪笥の削り直しをするためには、まずは、桐箪笥に付いている金具をすべて取り外します。この時気をつけなければいけないことは、小さな釘の取り忘れです。桐箪笥に釘が残っているとかんなをかける時、かんなの刃を傷めてしまいます。痛んだかんなの刃は研ぎ直せばいいのですが、同時に大切な箪笥に傷を付けてしますからです。これは、とても細かい作業ですが桐箪笥の削り直しには不可欠の大切な仕事です。その後、桐箪笥全体をお湯で洗い流し、表面の汚れを拭き取ります。
桐箪笥の削り直し本番
桐箪笥を完全に乾燥させた後、桐箪笥全体にかんなをかけて削ります。桐箪笥は経年変化などで表面が茶色く変色していても、かんなで削れば下からまた買った当時と同じ白い桐の木地が出てきます。これは、桐の持つ木材としての特徴の一つです。桐は多孔質で内部に多くの空気の含んでいることから、汚れが桐箪笥の中まで染み込んでいかないからです。
桐箪笥の削り直しの仕上
かんなで桐箪笥全体を削り終わったら、いよいよ桐箪笥を仕上ます。この工程も新品の桐箪笥と同様専門の仕上げ師が行います。桐箪笥の仕上の種類は、殿粉仕上、夜叉仕上げ、時代仕上げ、弁柄仕上げなどがあります。桐箪笥は呼吸をしているため、それを止めてしまうニスやウレタンなどの塗料は決して使用しません。すべて天然の素材から採れた塗料のみで仕上ていきます。
桐箪笥の金具付けと完成
仕上終わった桐箪笥には、新しい金具を取り付けます。削り直しの桐箪笥の場合には、既存の金具を直して再び取り付ける場合と新規に新しい金具に取り替える場合があります。金具を取り付けると、いよいよこれで桐箪笥の削り直しの完成です。完成後の桐箪笥を見て、注文をしたお客はすべてとても喜んでいます。このように桐箪笥は100%再生可能な、環境にやさしく経済的な家具といえます。