総桐箪笥の板乾し
高級な総桐箪笥が出来上がるまでには、いくつもの複雑な工程を経て完成することになります。まずは、総桐箪笥を制作するためには、製材された桐板を板干場で2年ほど日光と雨に打たせて木のアクを抜き、そこから板の木目と素性を見極めて板選びをします。この時点で、職人の頭の中では、既にこの板は桐箪笥の何処にくるかが決まっています。
桐の板焼き
次に、桐箪笥に使用する木取りを行う前に、曲がった桐板に焼きを入れて真直ぐにしていきます。これは、桐の板厚を無駄にしない、貴重な材を大切にするという先人の知恵が現在においても生きているものです。
総桐箪笥の板矧ぎ
総桐箪笥の板矧ぎ(いたはぎ)は、職人が長台でかねくちを合わせて行います。総桐箪笥の前板には目が詰まった桐の柾目を合わせ、箪笥の側板には板目を抱き合わせ美しく見えるように、板を剥いでいきます。
総桐箪笥のホゾ
総桐箪笥のホゾ組合せは、柔らかい桐の場合には他の材質とは異なり、鑿は押すのではなく、わかりやすく言えば刺身を切るように細かく刻んでいきます。総桐箪笥は材質選びから箪笥組立てまでを一人の職人が仕上げ、箪笥を刻む道具も、それぞれの箪笥職人が自分で手入れした道具を使います。
総桐箪笥の本体
総桐箪笥の本体組立ては、大きな家具であっても自分の作業台で一人で組立てていきます。さまざまな接取加工された総桐箪笥の部材が、竹クギや木クギで組立てられていくなど、総桐箪笥を美しく仕上げるためには職人は一切の手間を惜しみません。
総桐箪笥の抽斗
総桐箪笥の抽斗組立ては、柔らかい桐材に適した包蟻組みで抽斗(引き出し)が組立てられます。総桐箪笥の本体に隙間なく納まるように、一つ一つ手作業の鉋で0.01mm単位で調整をしていきます。
総桐箪笥のヤシャブシ仕上げ
総桐箪笥のヤシャブシは、夜叉倍子の木の実をコーヒー色になるまで長時間煮た煮汁で仕上げます。ヤシャブシを塗った総桐箪笥は長年の間に味わいが深くなるのが大きな特徴です。
総桐箪笥の塗り仕上げ
総桐箪笥の塗りは、表面はヤケ防止と美しい仕上げのために、ヤシャブシにとの粉を混ぜた物を刷毛に絞りながら総桐箪笥に数回重ね塗りを行います。これが乾いた後、カルカヤの根を束ねたうずくりで、総桐箪笥の木目に沿って目立てを行います。
総桐箪笥の金具
総桐箪笥の最後の仕上げとなる金具付けとして、前飾り、丸環、錠等を取りつけていきます。高級桐箪笥の金具には、民芸金具のような無骨なものを使用するのではなく、大名道具に付けられていた優美で手が込んだ美術工芸的金具を使用します。