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桐箪笥の概要

桐の木の成長

 箪笥(きりたんす)といえば、現在では、家具の中でも高級家具の代名詞となっています。日本では、昔、家に女の子が生まれると桐の苗木を植えて、その子が大きくなって結婚する時には、そのキリを切って箪笥を作り、嫁入り道具の一つにするという言い伝えがありました。桐の木はそれほど成長が早い木です。

桐箪笥は火に強い

 桐たんすは、見た目や持ったときの軽さからは、やや頼りない感じで良く燃えてしまいそうですが、逆に、とても燃えにくい性質です。火災にあっても、桐たんすの中に入っていた着物が燃えず、火事後にも残っていたということもたくさんあります。

桐箪笥の空調機能

 桐箪笥は日本だけにしかない、古き良き文化が今でも生き続けているものです。桐箪笥は乾燥すれば収縮して通気性を増し、逆に湿気が増えれば膨張して水分の侵入を防ぐという、いわば自動空調機能を備えています。また、桐箪笥は、カビや害虫を寄せつけず、腐りにくく頑丈です。

桐箪笥の削り直し

 桐タンスは、何十年も前の桐タンスであっても、再度、削り直しの修理に出すことによって、まっさらな桐タンスにきれいにリフォームされ生まれ変わります。

 おばあちゃんがお嫁に来るときに、嫁入り道具として持ってきた桐タンスが、孫の代になっても削り直しによって、また新たな桐タンスとして生まれ変わります。この削り直しの美しい仕上がりは、新しくなった桐タンスを見て、おばあちゃんが「またお嫁にいけるね。」という言葉に象徴されます。

桐箪笥は「もったいない」精神

 桐タンスは、たとえ、当初の購入時に高価であっても、孫や子の時代まで長く使い続けることができる家具として、日本古来からの「もったいない」精神を発揮したリサイクル可能な家具です。さらに、いらなくなった桐タンスは、削り直しができることからも、高価で買取される家具の一つでもあります。

桐箪笥のうんちく

桐箪笥と桐の名前

 箪笥で使われている「桐」という名前は桐の木の性質から付けられたといわれています。つまり、桐の木は、最初に伸びた根をそのまましておくより、 一度根元から切る方が元気のよい新芽が出るため、かえってよく成長する性質があるので、「一度切る」 ところから「キリ」 という名がついたと伝えられています。もう一つの説では、桐の木は、ゴマノハグサ科の名のとおり草の仲間で木と同じ「木+同=桐」というところから桐の名がついたともいわれています。桐の木は幼木の間は、成長がとても早いので成長のシンボルでもあり、桐箪笥には、 直径約30cm以上で、30~50年のものが使用されています。

桐箪笥と江戸の火事

 「火事と喧嘩は江戸の花」と言われるように江戸の町は、火事がとても多く発生していました。しかし、消防の力が備わっていなかったこの時代には、本当に大切なものしか持って逃げることしかできませんでした。このため、たんすは移動性のある車たんすが重宝がられていましたが、明暦3年(1657)の江戸の大火では、大型の車たんすに荷物を積んだ人々で道路がふさがれ、それに火がつき大惨事になってしまいました。この状態を重く見た幕府は、天和3年(1683)、車たんすを禁止してしまいました。そこで、車箪笥に代わる移動性のある収納具として、軽くて燃えにくい桐箪笥が注目され、火事の時には棒通しに棒を通して運び出す桐箪笥が庶民の間で広まることになりました。

桐箪笥と鳳凰

 桐箪笥のシンボルとされている鳳凰は、中国の伝説の鳥です。その姿は黄金に輝き燃えるような五色に彩られているとされ、首は蛇のように長く、龍の紋と鶏の嘴を持ち、高さ五、六尺で天下太平の時にしか現れず、東方から太陽の光に乗って飛んでくるといわれています。羽を広げた孔雀に似ているともいわれており、手塚治虫氏の「火の鳥」も鳳凰がモデルになっているのではともいわれています。鳳凰が飛ぶ時は雷が鳴らず、風雨も起こらず、河川は溢れず、他の鳥や虫も鳴くことは無く、翼のはためく音は、瞎の音のようだと伝えられています。鳳凰は雌雄二羽で夫婦和合のシンボルでもあり、鳳が雄で「節節」と鳴き、 凰が雌で「足足」と鳴きます。この鳥は決して殺生せず、桐に宿り、竹の実以外は 食べないとされています。

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