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更新April 8(Wed), 2009

桐箪笥の概要

桐の木の成長

 箪笥(きりたんす)といえば、現在では、家具の中でも高級家具の代名詞となっています。日本では、昔、家に女の子が生まれると桐の苗木を植えて、その子が大きくなって結婚する時には、そのキリを切って箪笥を作り、嫁入り道具の一つにするという言い伝えがありました。桐の木はそれほど成長が早い木です。

桐箪笥は火に強い

 桐たんすは、見た目や持ったときの軽さからは、やや頼りない感じで良く燃えてしまいそうですが、逆に、とても燃えにくい性質です。火災にあっても、桐たんすの中に入っていた着物が燃えず、火事後にも残っていたということもたくさんあります。

桐箪笥の空調機能

 桐箪笥は日本だけにしかない、古き良き文化が今でも生き続けているものです。桐箪笥は乾燥すれば収縮して通気性を増し、逆に湿気が増えれば膨張して水分の侵入を防ぐという、いわば自動空調機能を備えています。また、桐箪笥は、カビや害虫を寄せつけず、腐りにくく頑丈です。

桐箪笥の削り直し

 桐タンスは、何十年も前の桐タンスであっても、再度、削り直しの修理に出すことによって、まっさらな桐タンスにきれいにリフォームされ生まれ変わります。

 おばあちゃんがお嫁に来るときに、嫁入り道具として持ってきた桐タンスが、孫の代になっても削り直しによって、また新たな桐タンスとして生まれ変わります。この削り直しの美しい仕上がりは、新しくなった桐タンスを見て、おばあちゃんが「またお嫁にいけるね。」という言葉に象徴されます。

桐箪笥は「もったいない」精神

 桐タンスは、たとえ、当初の購入時に高価であっても、孫や子の時代まで長く使い続けることができる家具として、日本古来からの「もったいない」精神を発揮したリサイクル可能な家具です。さらに、いらなくなった桐タンスは、削り直しができることからも、高価で買取される家具の一つでもあります。

桐箪笥のうんちく

桐箪笥と桐の名前

 箪笥で使われている「桐」という名前は桐の木の性質から付けられたといわれています。つまり、桐の木は、最初に伸びた根をそのまましておくより、 一度根元から切る方が元気のよい新芽が出るため、かえってよく成長する性質があるので、「一度切る」 ところから「キリ」 という名がついたと伝えられています。もう一つの説では、桐の木は、ゴマノハグサ科の名のとおり草の仲間で木と同じ「木+同=桐」というところから桐の名がついたともいわれています。桐の木は幼木の間は、成長がとても早いので成長のシンボルでもあり、桐箪笥には、 直径約30cm以上で、30~50年のものが使用されています。

桐箪笥と江戸の火事

 「火事と喧嘩は江戸の花」と言われるように江戸の町は、火事がとても多く発生していました。しかし、消防の力が備わっていなかったこの時代には、本当に大切なものしか持って逃げることしかできませんでした。このため、たんすは移動性のある車たんすが重宝がられていましたが、明暦3年(1657)の江戸の大火では、大型の車たんすに荷物を積んだ人々で道路がふさがれ、それに火がつき大惨事になってしまいました。この状態を重く見た幕府は、天和3年(1683)、車たんすを禁止してしまいました。そこで、車箪笥に代わる移動性のある収納具として、軽くて燃えにくい桐箪笥が注目され、火事の時には棒通しに棒を通して運び出す桐箪笥が庶民の間で広まることになりました。

桐箪笥と鳳凰

 桐箪笥のシンボルとされている鳳凰は、中国の伝説の鳥です。その姿は黄金に輝き燃えるような五色に彩られているとされ、首は蛇のように長く、龍の紋と鶏の嘴を持ち、高さ五、六尺で天下太平の時にしか現れず、東方から太陽の光に乗って飛んでくるといわれています。羽を広げた孔雀に似ているともいわれており、手塚治虫氏の「火の鳥」も鳳凰がモデルになっているのではともいわれています。鳳凰が飛ぶ時は雷が鳴らず、風雨も起こらず、河川は溢れず、他の鳥や虫も鳴くことは無く、翼のはためく音は、瞎の音のようだと伝えられています。鳳凰は雌雄二羽で夫婦和合のシンボルでもあり、鳳が雄で「節節」と鳴き、 凰が雌で「足足」と鳴きます。この鳥は決して殺生せず、桐に宿り、竹の実以外は 食べないとされています。

産地による桐箪笥の選び方

桐箪笥の製造元

 箪笥の製造元は数多くありますが、国から伝統的工芸品として指定されているのは、新潟県加茂桐箪笥、埼玉春日部桐箪笥、名古屋桐箪笥、大阪泉州、和歌山桐箪笥の5か所だけです。歴史的な経緯からして、かつては、運送手段などが限られたこともあり、なるべく桐箪笥の材料をたんすが売れる消費地の近くまで持ってきて、それから桐箪笥を製造するという流れでした。このため、一部の例外となる、加茂地方を除いてみんな大都市圏が桐箪笥の産地となっています。

東京の桐箪笥

 江戸時代に日本国内で最も人口が集中しており、火事も多かったことから、江戸は桐箪笥の大消費地だったのですが、現在において東京は国の伝統的工芸品の指定を受けていません。これは、歴史的に100年以上の伝統とがあるので指定を受ける条件には何ら問題ないのですが、国に申請をしていなかったことから、結果として指定を受けていないことになっています。

生産量一番は加茂の桐箪笥

 桐箪笥の中でも加茂の桐箪笥は、独自な発展をしてきたといえます。国内における桐箪笥の生産量としては一番数が多く、デパートを中心に営業をかけ、そこでの販売量が増加していることから、伸びてきたといえます。この加茂の桐箪笥は、生産・販売量としては、一番多いことは間違いないことですが、そのことを持って、加茂の箪笥が一番良いというのは、一概には言えません。箪笥についての目利きを持った人が見た場合、加茂の桐箪笥といえども、良いものから、そうでないものまでいろいろなものがあるということです。

桐箪笥の産地とその優劣

 桐箪笥については、どこの産地のものがよいのかという点については、判断が難しいものがあります。各地の桐箪笥の制作方法は、その地域に古くから伝わる伝統的なものなので、少しずつ工法も違ってきていますが、その工法の違いを持って、どこの産地の桐箪笥が良い悪いということはできません。結論としては、桐箪笥の産地の違いによって、良し悪しを判断することはできないということです。つまり、どこの産地の桐箪笥であっても、良い造りのものもあれば、そうでないものもあるということです。

材質による桐箪笥の選び方

桐箪笥の材質

 箪笥に使用される桐の材質については、同じ桐の木でありながらピンからキリまでかなりの幅があるのが実態です。一般的には、桐たんすは会津桐が最も良質な桐とされますが、一方、一口に会津地方もそれなりの広さがあるので、その中のどこの桐の産地がいいのかといった話にもなってきます。さらに、国内の桐タンスの桐の産地は、北は青森からかなり広範の地域に広がっていることから、産地だけで材質を判断するのは難しい状況です。

外国からの桐箪笥

 また、桐箪笥には、国内産の桐だけでなく、外国から輸入されている桐も使用されています。輸入はいろいろな国からのものあっりますが、特に、北米や中国などからのものが桐箪笥で使われる桐として有名です。このうち、中国の桐は、値段的にも安いことからかなりの量が桐箪笥の材料として流通しています。また、中国本土で桐箪笥が製品化されて、それを輸入されることも多く、現在の通信販売では、中国で桐箪笥を製造されたものがかなり多く見ることができます。さらには、桐に似た木を桐箪笥として安く売っているケースもあり、例えば、ファルカタの木などを桐箪笥と称して売る悪質な業者までもいます。

桐箪笥のグレードによる違い

 桐箪笥の材質の違いは、その桐タンスのグレード的によって使用するものが少しづつ異なっており、最終的な製品段階ではまったく異なったものになります。桐箪笥の選定の本質は、桐の材質と箪笥の構造、それに一番大きなところは職人の技術です。桐箪笥の一定の水準以上を念頭にして考えると、桐箪笥の構造については、ほとんど変わりがなくなってきます。桐箪笥職人の技術も、どこに力点を置いて判断するかで違うという微妙な違いとなってきます。となると桐箪笥の材質の違いをまずは中心に考えるべきではないかという結論になります。

家具の総桐箪笥の製作過程

総桐箪笥の板乾し

 高級な総桐箪笥が出来上がるまでには、いくつもの複雑な工程を経て完成することになります。まずは、総桐箪笥を制作するためには、製材された桐板を板干場で2年ほど日光と雨に打たせて木のアクを抜き、そこから板の木目と素性を見極めて板選びをします。この時点で、職人の頭の中では、既にこの板は桐箪笥の何処にくるかが決まっています。

桐の板焼き

 次に、桐箪笥に使用する木取りを行う前に、曲がった桐板に焼きを入れて真直ぐにしていきます。これは、桐の板厚を無駄にしない、貴重な材を大切にするという先人の知恵が現在においても生きているものです。

総桐箪笥の板矧ぎ

 総桐箪笥の板矧ぎ(いたはぎ)は、職人が長台でかねくちを合わせて行います。総桐箪笥の前板には目が詰まった桐の柾目を合わせ、箪笥の側板には板目を抱き合わせ美しく見えるように、板を剥いでいきます。

総桐箪笥のホゾ

 総桐箪笥のホゾ組合せは、柔らかい桐の場合には他の材質とは異なり、鑿は押すのではなく、わかりやすく言えば刺身を切るように細かく刻んでいきます。総桐箪笥は材質選びから箪笥組立てまでを一人の職人が仕上げ、箪笥を刻む道具も、それぞれの箪笥職人が自分で手入れした道具を使います。

総桐箪笥の本体

 総桐箪笥の本体組立ては、大きな家具であっても自分の作業台で一人で組立てていきます。さまざまな接取加工された総桐箪笥の部材が、竹クギや木クギで組立てられていくなど、総桐箪笥を美しく仕上げるためには職人は一切の手間を惜しみません。

総桐箪笥の抽斗

 総桐箪笥の抽斗組立ては、柔らかい桐材に適した包蟻組みで抽斗(引き出し)が組立てられます。総桐箪笥の本体に隙間なく納まるように、一つ一つ手作業の鉋で0.01mm単位で調整をしていきます。

総桐箪笥のヤシャブシ仕上げ

 総桐箪笥のヤシャブシは、夜叉倍子の木の実をコーヒー色になるまで長時間煮た煮汁で仕上げます。ヤシャブシを塗った総桐箪笥は長年の間に味わいが深くなるのが大きな特徴です。

総桐箪笥の塗り仕上げ

 総桐箪笥の塗りは、表面はヤケ防止と美しい仕上げのために、ヤシャブシにとの粉を混ぜた物を刷毛に絞りながら総桐箪笥に数回重ね塗りを行います。これが乾いた後、カルカヤの根を束ねたうずくりで、総桐箪笥の木目に沿って目立てを行います。

総桐箪笥の金具

 総桐箪笥の最後の仕上げとなる金具付けとして、前飾り、丸環、錠等を取りつけていきます。高級桐箪笥の金具には、民芸金具のような無骨なものを使用するのではなく、大名道具に付けられていた優美で手が込んだ美術工芸的金具を使用します。

桐箪笥のとのこ仕上げ

桐箪笥のとのこ仕上げ

 箪笥の「仕上げ」とは、桐箪笥の表面の塗装のことをいいます。桐たんすは、一見、塗装されていないようにも見えますが、これは箪笥の表面が無塗装ということではなく、表面には「とのこ仕上げ」が施されています。 桐箪笥のとのこ仕上げは、現在の総桐たんすにおいて一番多く用いられている一般的な仕上げ方法です。

桐箪笥のやしゃ砥粉仕上げ

 桐箪笥のとのこ仕上げのことは、別名「やしゃ砥粉仕上げ」ともいいます。これは木の実である「やしゃ」を煮た抽出液をろ過したものと砥粉とを合せたものを 桐箪笥の表面に重ね塗りしていきます。完成した桐箪笥の表面にとのこを刷り込んでいくように作業を行っていくと、徐々に桐箪笥の表面が滑らかになっていきます。これを何度も重ね塗りしていくうちに、桐箪笥の表面はとのこが染み込んでツルツルになり、桐箪笥本来の美しさをかもし出すようになります。

桐箪笥のとのこ仕上げの効果

 桐箪笥の表面の柾目のくっきりしたラインは、やしゃ砥粉仕上げの効果によって、よりはっきりと目立つようになっていきます。こうした桐箪笥たんす表面のやや黄色がかった色は、混ぜる砥粉の色によって変わってきます。

桐箪笥のとのこ仕上げと湿度調整

 桐箪笥にこうした砥粉仕上げを施すことによって、見た目の美しさだけではなく、桐箪笥タンスが本来持っている湿度を自動的に調整する機能が、より桐箪笥が敏感に反応するようになります。このように、桐箪笥のとのこ仕上げは、桐箪笥本来の美しさを引き出すと共に、桐箪笥の機能を高める働きもするという仕上げ方法の一つです。

桐箪笥の時代仕上げ

桐箪笥の時代仕上げのメリット

 現在では、箪笥の表面に焼き色を付けて、たんすを仕上げる方法を総称して「桐箪笥の時代仕上げ」と呼ぶ場合が多くなっています。桐箪笥の時代仕上げのメリットとしては、桐箪笥の表面を焼くことによって硬くすることができることや、経年劣化による色の変化が少なくなることなどをあげられます。

桐箪笥の時代仕上げのデメリット

 一方、こうした桐箪笥の時代仕上げのデメリットとしては、表面を焼くことによって、桐箪笥が本来持っている大きな特徴でもある湿気に対する反応が鈍くなることを、まずあげることができます。さらに、桐箪笥に焼き色がある程度浸透することから、桐箪笥の削り直しなどのときには、再度時代仕上げにしなければならないことなどがあります。つまり、とのこ仕上げからは時代仕上げにすることはできますが、その逆はできなくなってしまいます。

桐箪笥の時代仕上げを勧める業者

 桐箪笥の製造販売側からすると、見た目からは桐箪笥の修理部分が判別がしにくいことや元の桐箪笥の良し悪しがわかりにくくなることから、削り直しなどのリフォームにおいては時代仕上げを強く勧める箪笥屋もあります。

桐箪笥の時代仕上げが増加

 こうしたことから、かつては新しい桐箪笥には時代仕上げを用いることは少なく、桐箪笥の削り直しの修理時に多い仕上げ方法でした。しかし、最近では、購入者の意向で当初の新品のときから桐箪笥の時代仕上げにする場合もあれば、販売業者の意向として桐箪笥の時代仕上げを選択することもあり、新品でも桐箪笥の時代仕上げの比率は高まっている状況にあります。

桐箪笥のリフォーム

 箪笥は、かなり高価なもので、昔も今も高級家具・高級箪笥の代名詞になっています。しかし、一方で、桐タンスは他の木材のタンスとは異なり、何百年にもわたって使用することが可能な唯一の家具です。これは、古くなってくすんでしまった桐タンスや汚れてしまったり、日に焼けてしまったりしても、桐タンスの削り直しによって何度も新品同様にリフォームできるからです。

桐箪笥の削り直しの美しさ

 桐箪笥の削り直しの方法は 単に古くなってしまった桐箪笥の表面だけを削るということだけで終わるのではありません。桐箪笥の板の割れ目や隙間などいろいろなところを細かく職人の目で見つけ出しながら修理補修していきます。そして、最初に販売されていた当時の桐箪笥の表面の輝きを削り直しによって取り戻してから、桐箪笥の色付け、金具付けと進みます。この際には、要望によって、金具などを新しいものに付け替えることも可能なので、そうして削り直しを受けた桐箪笥は、まさに新品と見間違うかのような出来あいにリフォームされてきます。実際に削り直しを終えた桐箪笥を見た人は、全員がそのできばえの美しさに驚いています。

桐箪笥の削り直しの差

 桐箪笥の削り直しは、家具職人であれば誰でもできるというものではありません。桐箪笥の削り直し専門の職人が手がけることによって、初めて美しい桐箪笥が蘇ります。職人の腕によって桐箪笥の削り直しにも大きな差が出てくるので、過去の削り直しの出来栄えや実績、納入先などをよく調べ、業者をじっくりと選んでから削り直しに出す必要があります。

桐箪笥の再生リフォーム

 ある60年前の箪笥の再生実例です。その桐たんすの引き出しの金具は壊れ底板も裏板も割れて剥がれていました。この桐タンスは、太平洋戦争直後におばあさんがお嫁入り道具として持ってきた桐箪笥です。倉庫の中に長い間放置されていたものですが、自宅の新築に合わせて削り直しで再生したいそうです。

桐箪笥の削り直しの前段階

 桐箪笥の削り直しをするためには、まずは、桐箪笥に付いている金具をすべて取り外します。この時気をつけなければいけないことは、小さな釘の取り忘れです。桐箪笥に釘が残っているとかんなをかける時、かんなの刃を傷めてしまいます。痛んだかんなの刃は研ぎ直せばいいのですが、同時に大切な箪笥に傷を付けてしますからです。これは、とても細かい作業ですが桐箪笥の削り直しには不可欠の大切な仕事です。その後、桐箪笥全体をお湯で洗い流し、表面の汚れを拭き取ります。

桐箪笥の削り直し本番

 桐箪笥を完全に乾燥させた後、桐箪笥全体にかんなをかけて削ります。桐箪笥は経年変化などで表面が茶色く変色していても、かんなで削れば下からまた買った当時と同じ白い桐の木地が出てきます。これは、桐の持つ木材としての特徴の一つです。桐は多孔質で内部に多くの空気の含んでいることから、汚れが桐箪笥の中まで染み込んでいかないからです。

桐箪笥の削り直しの仕上

 かんなで桐箪笥全体を削り終わったら、いよいよ桐箪笥を仕上ます。この工程も新品の桐箪笥と同様専門の仕上げ師が行います。桐箪笥の仕上の種類は、殿粉仕上、夜叉仕上げ、時代仕上げ、弁柄仕上げなどがあります。桐箪笥は呼吸をしているため、それを止めてしまうニスやウレタンなどの塗料は決して使用しません。すべて天然の素材から採れた塗料のみで仕上ていきます。

桐箪笥の金具付けと完成

 仕上終わった桐箪笥には、新しい金具を取り付けます。削り直しの桐箪笥の場合には、既存の金具を直して再び取り付ける場合と新規に新しい金具に取り替える場合があります。金具を取り付けると、いよいよこれで桐箪笥の削り直しの完成です。完成後の桐箪笥を見て、注文をしたお客はすべてとても喜んでいます。このように桐箪笥は100%再生可能な、環境にやさしく経済的な家具といえます。

桐箪笥の三種類の表記

 「箪笥」には、「桐たんす」、「桐タンス」というように現在3通りの表記がされる場合があります。家具屋さんによっても、表記の違いがありますが、どのように使い分けられているのでしょうか。

桐箪笥の漢字表記

 漢字表記の箪笥は、箪も笥も少し意味が違うのですがどちらも中に物を入れる箱の家具を指しています。箪笥という言葉は、箱物家具の総称になります。桐箪笥を表記する場合には、本来では漢字表記の桐箪笥が一番正しいといえますが、ただ、箪笥の文字は他の場面にほとんど用いられることもなく、常用漢字以外の表記となり、一般的に書けない漢字、読めない漢字扱いになっています。

桐タンスのカタカナ表記

 こうした表記の違いは、戦前においても既にあったようで、戦前の表記では、ひらがなではなくカタカナで表記するのが一般的だったため、これがカタカナ表記の桐タンスになったようです。大正時代においても「桐箪笥」を「桐タンス」と表記していましたので、桐箪笥という漢字での表記が一般的ではなくなっているようです。

桐たんすのひらがな表記

「桐箪笥」を「桐タンス」と表記するカタカナ表記には、結構長い歴史があるわけです。とはいえ、外来語でもないため、桐タンスのカタカナ表記には 現在では意味がありませんので、「桐箪笥」を「桐たんす」とひらがなで表記することも多いのが実態です。

桐箪笥の表記の結論

 しかし、桐箪笥の家具のお店によっては、「総桐箪笥」と漢字で表記することによって、あえて桐箪笥の持つ高級感と歴史の重みをかもし出しているお店もあります。結論的には、「桐箪笥」、「桐たんす」、「桐タンス」という三つの表記は、桐箪笥家具屋のそれぞれの思い入れの違いによって使い分けられているというのが実態です。


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