漆塗りの技法
漆の塗り方は大きく分けて二つの方法があり、一つには拭き漆といって、木目の美しさや色合いをそのまま見せる透明な漆膜の仕上げにする方法と、もう一つには、木肌を覆い隠し塗り、研ぎを何回も繰り返して漆特有の滑面にする方法があります。木箸は拭き漆の技法を使っています。まずは、お箸の木材に生漆を吸い込ませ、木目の美しさを引き立たせた皮膜で丈夫にします。漆箸を作るには、漆液をお箸の素地に何度も摺り込み、吸い込ませては拭きとるという作業を何回も繰り返す職人技を必要とします。
最近の漆塗り箸
戦後になると優秀な漆工職人が減り、しかも良質な日本産の漆が激減することによって、漆価格の高騰を招いたことなども要因となり、現在では中国からの輸入漆が主力となっています。さらには、高品質な化学塗料が開発され、人口漆といわれる化学樹脂塗料が盛んにお箸にも使われています。化学樹脂塗料はコスト面でお箸の生産に貢献し、様々な種類のお箸作りを実現しました。
塗り箸の検査
塗り箸は直接口に触れるものなので、食品衛生法・食品、添加物等の規格基準の検査を受ける必要があります。個別に認められた以外の合成樹脂の器具又は容器包装によって有害な影響を及ぼす塗料の使用は一切禁止されています。使用されている塗料が検査項目の基準値以内であれば法的には何も問題がありませんが、家庭用品品質表示義務法により素材の種類や塗装の種類、製造元及び発売者を表示しています。また、天然漆のお箸や塗装を行っていない竹・木のお箸に関しては、自然素材のため食品衛生法検査義務の対象外となっています。