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マイ箸のお箸とは

お箸は食器の一つ

 は、日本以外の諸外国においても、広く使われている食事用の道具の一種で、二本一対になった棒状のものを片手で持ち、ものを挟んで移動させるために使われます。箸は、皿などに乗っている料理を挟んで、別の皿に移したり、口に運んで食べるために使われることから、食器の一種に位置づけられています。

お箸の材質

 箸の材質には、国によって様々であり、その国独特のものが使われているケースが多く見られます。日本では、各種の木、竹、金属、プラスチック、象牙など様々な素材で箸が作られています。箸は、その性質上、口の中を傷つけることのないように表面を丁寧に滑らかに削るか、漆や合成樹脂などでコーティングしてあるのが特徴です。

お箸の日本文化

 現代の日本では、箸は食べ物を食べる目的で使用する食器として、フォーク・スプーンなどと並んで非常に広く用いられています。洋食のレストランやホテルの食事であっても、箸をお願いすると用意してもらえるという日本ならではの箸文化があります。これは、古くからお箸に親しんできたことから、お年寄りなどを中心にフォークやナイフが苦手な人が結構いるからです。テーブルマナーの講習会でもない限り、国内のレストランでは、頼むとお箸を用意してもらえます。

お箸と宇宙

 また、最近では、お箸は、宇宙飛行士が宇宙での食事の際に食べ物をしっかりと持つことができるという理由でナイフやフォークに代わって採用されています。しかし、箸での食事の生活習慣のない欧米人にとっては、箸の練習がかなり難しいようです。ただ、最近では、寿司などを始めとする日本食をお箸を使って上手に食べている欧米人もかなり増えてきています。

お箸と持ち方

 日本人であっても、最近では、親自身が正しい箸の持ち方を知らないため、子供の中では箸をキッチリと持てない子も増え、いわゆる、握り箸の子供も見受けられます。テレビでタレントが料理を食べるシーンでも、ちゃんとしたお箸の持ち方をしていないと、その人の品性や知性まで疑われてしまいます。また、最近では環境面の取組みからマイ箸を携帯する人も増えていますが、持ち方がなっていないと、お店の割引が目当てなのかと取組みの姿勢まで疑われそうです。ぜひ、お箸の良き文化と環境を次代に伝えていきたいものです。

お箸の原型

折箸と神器

 新しく採れたお米のご飯を神様に供える儀式である新嘗祭のうち、天皇即位後に最初に行われる新嘗祭が大嘗祭といわれていますが、この神饌には竹をピンセット状に折り曲げた折が使われています。この時に使っていた折箸が箸の起源で二本のお箸に変化したという説があります。食べ物を口に運ぶ今の箸(二本)の原型なのかという反論もあるようですが、元々はこの折箸は神に食物を取り分ける祭器や神が使う神器だったのです。

お箸の語源と素材

 お箸という言葉の語源については、このピンセット状のものが鳥のクチバシに似ているからだとか、「竹を曲げてその端と端を使う」、「食べ物を口に運ぶ橋になる」、「神と人を結ぶ橋」、「神が宿る柱」などお箸にはいろいろな説があります。また、お箸という字は竹冠が使われているように、お箸の素材としては古来から竹が多く使われていました。今ブームの携帯マイ箸には、竹やその他の木のほか金属など様々な現代的な素材が使われています。

祝膳と太箸

 箸には細い箸、太い箸などいろいろな種類があります。その中でも太箸のいわれは、七代将軍の足利義勝が正月のめでたい祝宴の時に使ったお箸が折れ、数日後、将軍が馬に乗って出かけた際、馬が根っこに足を取られて、将軍は馬から落ち亡くなってしまいました。それ以来、お箸が折れると縁起が悪いと言われるようになり、祝膳では決して折れないように太箸を使うようになったということです。

お箸の数え方

 箸は一膳、二膳と数えるのが普通ですが、その由来は鎌倉時代に一人用の膳が発達し、一つの膳に対して一つの箸が添えられたことからだとと言われています。それ以前では、お箸のことは、一具・一隻・一双・一株・一囲などと数えられていました。

多機能なお箸

 日本人の手先が器用なのは、お箸を使うからだと言われています。お箸もつまむ・はさむ・支える・運ぶ・切る・裂く・ほぐす・はがす・すくう・くるむ・のせる・ 押さえる・分けるなど、二本のお箸の棒を片手で操り、さまざまな機能を持った優れた食器です。これだけの機能があるので、どんな料理でもお箸一膳で事が足りるのです。

お箸と魂

箸折りと魂

 昔々、山に仕事に入った男たちは、休憩時間に昼飯を食べる時には、その辺の木の枝2本をお代わりに使っていました。そして、一度昼食で使ったお箸には、その人の魂が宿るといわれており、必ずお箸を折ってから捨てていました。そのまま捨てると山に棲む獣に遊ばれ、その禍が自分にふりかかるのを避けるためでした。また、こうしたお箸を折ることで魂は自分の元に戻ると信じられていました。こうした名残かどうかはわかりませんが、今ではほとんど見かけませんが、かつては、食堂などで食事を食べ終わると多くの人がお箸を折っていました。

箸の発祥は中国

 お箸がいつから使われ始めたのかはっきりとしたものはありませんが、お箸の発祥の地は中国というのが定説になっています。中国の戦国時代(紀元前400~200年頃)の書物には既に「箸」の文字が多く見つかっているからです。

聖徳太子が箸での食事

 日本でお箸での食事を初めて採用したのは聖徳太子です。607年、小野妹子らを遣隋使として派遣した折に、箸を使った食事作法で歓待を受けたことから、この進歩した作法の報告を受けて感銘した聖徳太子は、さっそく宮中の宴に箸食を採用しました。これ以後、これに習って大きな寺院は次々と箸食を取り入れたそうです。

一生は箸に始まり箸に終わる

 日本においては、赤ちゃんの箸初めに始まり、骨上げで終わる箸渡しなど人の一生には、日本古来からお箸の風習が残っています。今では、あまり見かけることがなくなりましたが、結婚式では箸取りの儀が行われていました。「箸が持てなくなったら、おしまいだ」といわれるように、昔から日本人にとって箸は生活に密着し、なくてはならないものでした。

箸を大切に

 かつては「生きることイコールお箸」としてとらえられていたことから、お箸を丁寧に扱い、お箸は食事の時以外は箸箱に大切にしまっておいたものでした。昔のお箸は現在多く出回っている量産品の箸と違い、漆仕上げの手間暇かけた良質の箸だったということも箸箱に保管した理由の一つにあげられます。今では、こうした習慣もほとんど見ることができなくなりました。

マイ箸携帯運動とお箸のルール

マイ箸携帯運動の増加

 最近、タレントなどでもマイ携帯する人が増えていて、それに合せるかのように一般の人でもする人が増えてきているそうです。それに、マイ箸を携帯して持参すると、割引サービスをしてくれるお店も増えてきていることも影響しているのかもしれません。私たちもできることから、少しずつでも環境にいい取組をして、次世代の人たちに美しい地球を引き継いでいきたいものです。

マイ箸のルール

 常にマイ箸を携帯していて地球環境に良いことをしていても、お箸のルールを守っていないと、せっかくの良い取組も周りから見るとひんしゅくものになってしまいます。日本に昔から伝わるお箸には、それなりのルールがあります。お箸の使い方でしてはいけないことは次のとおりです。

移り箸

ある料理を取りかけてから、やめて違う料理にお箸を移すこと。

迷い箸

どの料理を取ろうか、料理の上でお箸をあちこちと動かすこと。

ねぶり箸

お箸に付いたものを口でなめてとること。

くわえ箸

お箸を下に置かずに口にくわえたままで食器などを持つこと。

指差し箸

お箸で人を指すこと。

寄せ箸

お箸で食器を引き寄せること。

つき立て箸

ご飯にお箸を突き立てること。ご霊前に供える縁起の良くないことです。

拾い箸

お箸とお箸で食べ物を受け渡しすること。亡くなった人の骨を拾うのと同じです。

叩き箸

お箸で食器を叩くこと。昔から食器を叩くと餓鬼を呼び寄せるといわれています。

渡し箸

お箸を食器の上に渡し置くこと。もういりませんという意味にもなり失礼に当たります。

揃え箸

お箸をお膳や食器の上で揃えること。

涙箸

お箸の先から汁をたらすこと。

もぎ箸

お箸についたごはん粒を口で取ること。

かき箸

お箸で取らずに直接食器に口をあてて、料理をかきこんで食べること。

差し箸

お箸を串のようにして料理に刺して取ること。

噛み箸

お箸の先を噛むこと。

振り上げ箸

お箸を振り上げながら話をすること。

押し込み箸

お箸で料理を口の中に押し込むこと。

空箸

一度お箸を料理につけておきながら、食べないでお箸を置くこと。

落とし箸

食事中にお箸を床に落とすこと。

横箸

二本のお箸を揃えて、スプーンのようにすくって料理を食べること。

ほじり箸

食器に盛ってある料理を上から食べないで、お箸で自分の好きなものをほじり出すこと。

すかし箸

骨の付いた魚を背骨(中骨)をとらずに、お箸で中骨越しに裏側の身をつついて食べること。

掻き箸

お箸で頭などのかゆい所を掻くこと。

直箸

取箸を使わずに、自分のお箸で料理を取り分けたりすること。日本では不浄とされています。

二人箸

食器の上で二人一緒に同じ料理をお箸ではさむこと。

お箸の種類

お箸の長さ

 携帯マイ箸で使うおの長さについては、様々なものがあります。選択するに当たって、長さ利き手の親指と人差し指で直角に矢印を作った時、人差指と親指の間の長さを一咫(ひとあた)といいます。お箸の適切な長さは、この長さの1.5倍の長さが適当な目安です。
・13cm(2歳)
・18cm(小学3~4年生)
・23cm(成人男性)
 しかし、お箸の長さについては、人それぞれ好き好きもあります。また、太さとのバランスもあるのであくまでも目安として考えてください。どのような長さのお箸を選ぶかは、まさに個人の自由です。

お箸の太さ

 お箸の太さは、基本的に指の太さや、手の厚さと比例します。一般的には指の太い人には太めの箸、指の細い人には細い箸が持ちやすいといわれています。しかし、お箸を使い安さだけで選ぶのではなく、女性なら細身のお箸を持つと手元が上品かつ、美しく見えるデザインから選ぶのも一つの方法です。

箸先の形

 箸先にも色々な形状や工夫がなされています。その工夫はさまざまで、多角形のお箸から溝があるお箸など、いずれも食材をつかむ時に滑りにくくする工夫がしてあります。

先角のお箸

 先角のお箸とは、箸先が面取りされていて角が食材に引っ掛かるため、滑りにくいのが特徴です。麺類用の箸などはほとんどこの形となっており、仕上げが拭き漆の場合が多くなっています。

先削りのお箸

 先削りのお箸とは、箸先まで無造作にに削りが入っているお箸のことで、食材がよく引っ掛かるため、滑りにくくなっています。仕上げは、拭き漆が大半です。

乾漆のお箸

 乾漆のお箸とは、箸に漆を塗った上から、さらに乾燥させた粉末状の漆を蒔き、さらにその上から漆を塗って研ぎ出すことによって表面をザラザラに仕上げたお箸で、滑りにくくなっています。また、この種類のお箸には、全体が乾漆のものや箸先だけのものと様々です。この乾漆のお箸は滑らないだけでなく箸を頑丈にする役割もあります。

塗り箸と木箸

 お箸の種類としては、塗り箸と木箸にも区分することができます。

塗り箸の特徴

 お箸に漆を丁寧に塗っているため、表面が滑らかで口あたりがよいのが特徴です。また、お箸の作りが堅牢であるとともに表面に汚れが付きにくく、常に清潔感を保つことができるという特徴があります。

木箸の特徴

 このお箸は、木の温もりをそのまま残して生かすため、拭き漆や蜜蝋、オイルで仕上げられています。木箸は、適度な木肌の摩擦を残しながら、形状を自由自在に表現できることから、多角形や変形ものなど特徴のあるお箸を作ることができます。お箸職人によっては、様々な滑りにくい工夫を施したり、使いやすさを追求したりとその形状は多種多様です。用途別の箸などに、形状を変化させることができる木箸製のものが多いのはそのためです。

箸の種類

丁六箸

 箸本体の面取りや溝加工なしの箸ですが、現在面取りなしではあまり売れないので多くは面取りしていると思われます。コンビニ等の弁当箸では十分使用に耐えます。長さが18cm(丁度6寸)の意味もあります。

小判箸

 箸の頭部から見ると面取りと角取りをしているので、小判型に見えます。通常、生蕎麦店や食堂などの一般飲食店で使用され、21cmが標準です。

元禄箸

 元禄時代に幕府の財政窮状を救うべく、老中柳沢吉保の命を受け勘定奉行萩原重秀は、金の含有量を減らした元禄小判貨幣を製造させ、後に悪評を受けました。割箸の加工として面取り、角取りをしてさらに割れ目に溝をつけ、木の分量を減らしたことから、元禄小判箸と呼ばれるようにななりました。21cmが標準ですが、もっと長いのもあります。

利休箸

 茶道に利用するため千利休が考案した箸で明治末期に一本ずつだったお箸を新型箸として考案されました。両端を細く削り中太にして、二本が夫婦のように寄り添って見えることから、夫婦利休とも呼ばれるようになりました。21cmが標準ですが、24cmもあります。

竹箸

 従来、日本国内で主に九州で生産されていた竹箸が中国の国策があり、近年輸入増加に転じ、日本産よりも廉価で高品質になってきています。種類も豊富になり、元禄、利休、天削等、多岐にわたり長さも豊富にあります。

天削箸

 奈良吉野郡近辺で大正5年ごろ考案されました。割箸の持ち手の頭部(天)を斜めに削げ切りした箸。天と地(上下)を逆にしてはならないという意味があります。

卵中箸

 安土桃山時代に千利休が客を招く朝に、箸の材料を取り寄せて客の数だけ一本、一本、手に持ちやすいよう中ほどを少し太くして両端を細く削り、削りたての香りのよい箸でもてなすのを礼儀とするようになった箸です。

祝い箸

 正月のお祝いやご祝儀では割箸は仲を裂く(割る)としてはじめから一本ずつの箸を使うのが、一般的です。また、お祝いの席で箸が折れるのを忌み嫌う習慣の日本では柳材の丸箸が使われます。この丸箸は両端を細く削ってあり、両口箸とも呼ばれる。この両口の意味は、一方を神が、一方を人間が使って食するという「神人共食」を表すといわれています。

お箸に使われている天然木

 おに使われている天然木については、一口に木と言っても、お箸の産地や作り方によって使用される素材も変わってきます。ほとんどの販売されている箸には、「天然木」としか表記されていませんが、この場合の多くはの鉄木やマラスと呼ばれている木となっています。日本最大の産地である福井県小浜市で作られている箸の多くも、この素材を使用しています。このほか、お箸に使われる素材は次のとおりです。

【マラス】原産地(ニューギニア等) 
 別名「ナンテンギリ」ともいわれ、強度と耐久性に優れており、最も多く箸の材料として取り入れられています。

【山桜】原産地(本州、四国、九州、朝鮮、北米等) 
 お箸として加工がしやすく狂いが少ないのが特徴です。やわらかな明るい色合いは女性にも人気が高く、また、妊婦が桜の枝を持つと安産祈願となると古くからいわれています。

【杉】原産地(日本各地) 
 軽くて柔らかい木なのでお箸としての加工が容易です。木目に沿って縦に割れやすいので主に割り箸に使われており、その中でも特に吉野杉は有名です。

【ブナ】原産地(日本各地) 
 日本の広葉樹で山奥に原生林を広げるポピュラーな樹種の一つです。重硬ながら狂いやすい材質ですが、様々なお箸の用途に広く使われています。

【楢】原産地(日本各地) 
 重硬で割れやすい特徴があるので、お箸として加工が困難とされていますが、虎の毛のような大きな斑点模様(虎斑)を有する美しい箸もあります。

【栃】原産地(日本、中国など) 
 軽くて柔軟性があり、お箸として加工しやすい材料の一つです。木肌も緻密で縮杢という美しい木目の模様が魅力的です。

【黄肌】原産地(日本各地、樺太、韓国、中国など) 
 比較的軽量な木ですが、お箸として適度な硬さを保っています。この木の最大の魅力はその光沢と非常にきれいな杢目です。

【鉄木】原産地(ベトナム、カンボジア、インドネシア) 
 硬くて丈夫で耐水性にも優れており、お箸に適した材料です。

【桧葉(ヒバ)】原産地(北海道南部から九州、北米等) 
 「明日ヒノキになろう」の意味で翌檜(あすなろ)ともよばれています。軽く、柔軟なため、お箸として加工もしやすい材料です。輪島の塗り箸によく使われています。

【檜】原産地(本州中部より四国、九州、屋久島) 
 日本特産の種で特有の芳香を放ちます。軽く、耐水性もよく、お箸として加工がしやすい材料です。木曽産のものが有名で木曽の塗り箸によく使われています。

【朴の木】原産地(日本各地、朝鮮、中国など) 
 軽く、やわらかいのでお箸として加工がしやすい材料です。お箸以外にも漆器や建築の装飾など幅広く使われています。

【一位】原産地(日本各地) 
 木目が細かく美しい木です。お箸以外にもアイヌの木彫りや岐阜県高山の一刀彫りなどで有名です。語源は仁徳天皇がこの木で笏を作らせた際、他のどの材よりも美しかったため「正一位」を授けたことに由来すると伝えられています。

【槐(えんじゅ)】原産地(日本各地、中国、朝鮮、台湾など) 
 比較的重硬で年輪は美しく、木目を磨くことによって光沢が出るので、お箸以外にも建築装飾や家具など幅広く活用されています。日本では「延寿」という字があてられ寿命を延ばす縁起の良い木として親しまれています。

【青黒檀】原産地(タイ) 
 お箸の材料としては、非常に入手が困難な材料です。油分が多く、滑らかで手に吸い付くような持ち心地が味わえます。製材したては緑色ですが、次第に酸化して真っ黒になるという特徴があります。

【本黒檀(別名:真黒)】原産地(インド、スリランカ) 
 お箸の材料としては、現在ほとんど入手が不可能です。インド産のものが極上品とされ通称「インドマグロ」とも呼ばれています。その持ち心地、重量感、ツヤは素晴らしく存在感のある材料です。

【縞黒檀】原産地(インドネシアなど) 
 お箸の材料としては、良材は年々減少していますが、産地が広域なため比較的手に入りやすい材料です。黒檀類では最も硬質で加工は困難ですが、箸の材料としては最高の素材といえます。

【紫檀】原産地(タイ、インド、ブラジルなど) 
 黒檀とは対照的にツヤのある明るい茶褐色が魅力的な材料です。硬さにも定評がありますが、お箸に使う良材は入手が困難になっています。

【紅木】(インド、マドラス地方) 
 紫檀の中でも最も入手が困難な木です。お箸としては、奥深い赤紫色が魅力的な材料です。

【黄楊(つげ)】原産地(伊豆七島、鹿児島等) 
 黄白色、黄褐色と柔らかい肌色とは裏腹に、お箸として重厚な材質が美しい逸品です。

【栗(クリ)】原産地(日本、朝鮮など) 
 年輪がはっきりとしているので、すり漆によって木目をはっきりと浮かび上がらせます。タンニンが多く、年月を経ると黒っぽくなっていきます。弾力性がありますが固いので加工は困難ですが、お箸の材料としては魅力的です。

【黒柿】原産地(日本、中国) 
 樹齢を重ねた柿の木のうち、まれに黒い縞杢を有する美しい稀少な材料です。柿の木の組織が内部の微生物や土壌の金属に影響を受けてできる模様が、お箸として独特の風合いを醸し出します。

【鉄刀木(タガヤサン)】原産地(タイ、インド、ミャンマーなど) 
 黒檀や紫檀とともにお箸の材料として代表的な唐木です。肌目はやや粗いのですが、硬く耐久性があり磨くことによって美しい光沢を放ちます。

【蛇紋木(スネイクウッド)】原産地(ベネズエラ) 
 お箸の材料となる全木材の中でも最も入手が困難な材料です。木材の中でも最も硬く鋼の帯鋸の歯もしばしば折れるほどの硬度を誇ります。ヘビ柄の独特な木目は世界一高級な木材の王様というにふさわしいどっしりとした品格を醸し出しています。

【桃色象牙(ピンクアイボリー)】原産地(アフリカ) 
 スネイクウッドに次ぐお箸の高級材です。重厚感があり木肌から放たれる上品なピンク色が最大の魅力です。

【煤竹】原産地(日本)
 煤竹とは薫煙された竹のことで、一般的な竹材に比べて硬く丈夫な材料です。古い日本家屋の囲炉裏などで長期にわたって自然に燻されたものを、特に本煤竹といい、その独特の飴色の色合いはとても魅力的です。現在では日本家屋の減少に伴い、お箸のとても希少な材料です。

【象牙】
 象牙密度が高く切削加工しやすいため、お箸の素材として珍重されてきました。その重量感と温かい風合いは、多くの人に好まれてきました。乱獲等により1989年以降ワシントン条約で輸入が禁止されたため、希少性も高く、風合いと品質は箸の材料の中でも最も高級感のあるものです。

お箸に使われている漆とは

漆とは

 漆とは漆の木から採取した樹液のことです。漆の歴史は古く、縄文時代に遡ります。青森県の是川遺跡からは、漆を使用したものが出土しており、古代からさまざまな用途に使われていたのがわかります。また、漆の樹液を使って、器物を制作ったり、塗ったり様々な加飾を行う工芸が漆芸です。日本では、細かい加工に適したとても硬質な優れた漆が採取できます。さらには、素地となる木材が豊富にある気候や風土に恵まれ、古くから伝統的に漆芸が発展してきました。

日本と漆

 日本の漆芸は、他の国に類を見ない多様な技術を持っていたため、高度で多様な展開を続けてきました。こうしたことは、欧米人が陶器のことを「チャイナ」、漆器のことを「ジャパン」と呼ばれていることからもうかがい知ることができます。その中でも漆塗りのは、日本人にとって古くから生活に溶け込んだ身近な漆器であるといえます。

漆の特性

 漆は優れた特性を持つ天然の塗料として、また、あるときには接着剤として、日本人の生活の中に取り入れられてきました。

・酸、アルカリ、塩分に強い。完全に乾燥すると塩酸、硫酸にも溶けません。
・防水、防腐性、防虫性があり抗菌作用も認められています。
・保湿性に優れ、熱の伝導性が低いので熱いものを入れても器が熱くなりません。
・錆び止めの効果があります。
・接着効果があり、法隆寺や金閣寺でも使われています。
・漢方では気を休める働きがあるといわれています。

お箸の漆塗り技法とは

漆塗りの技法

 漆の塗り方は大きく分けて二つの方法があり、一つには拭き漆といって、木目の美しさや色合いをそのまま見せる透明な漆膜の仕上げにする方法と、もう一つには、木肌を覆い隠し塗り、研ぎを何回も繰り返して漆特有の滑面にする方法があります。木は拭き漆の技法を使っています。まずは、お箸の木材に生漆を吸い込ませ、木目の美しさを引き立たせた皮膜で丈夫にします。漆箸を作るには、漆液をお箸の素地に何度も摺り込み、吸い込ませては拭きとるという作業を何回も繰り返す職人技を必要とします。

最近の漆塗り箸

 戦後になると優秀な漆工職人が減り、しかも良質な日本産の漆が激減することによって、漆価格の高騰を招いたことなども要因となり、現在では中国からの輸入漆が主力となっています。さらには、高品質な化学塗料が開発され、人口漆といわれる化学樹脂塗料が盛んにお箸にも使われています。化学樹脂塗料はコスト面でお箸の生産に貢献し、様々な種類のお箸作りを実現しました。

塗り箸の検査

 塗り箸は直接口に触れるものなので、食品衛生法・食品、添加物等の規格基準の検査を受ける必要があります。個別に認められた以外の合成樹脂の器具又は容器包装によって有害な影響を及ぼす塗料の使用は一切禁止されています。使用されている塗料が検査項目の基準値以内であれば法的には何も問題がありませんが、家庭用品品質表示義務法により素材の種類や塗装の種類、製造元及び発売者を表示しています。また、天然漆のお箸や塗装を行っていない竹・木のお箸に関しては、自然素材のため食品衛生法検査義務の対象外となっています。

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