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更新December 31(Thu), 2009

看護師とは

 看護師とは、看護専門学校や看護大学等の看護師養成課程における基礎看護教育を受けた後、国家試験合格後、看護師免許の資格をもって、医療、保健、福祉といった幅広い現場において、医師や歯科医師が患者を診療する際の補助や病気や障害を持つ人々の日常生活における援助、疾病の予防や健康の維持増進を目的とした教育などを行う医療従事者のことをいいます。

 法律上の看護師の位置づけとしては、「保健師助産師看護師法第5条」の規定の定めによって「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者や出産後の女性に対する療養上の世話、あるいは診療の補助を行うことを仕事とする者」とされています。

看護師になるためには

 看護師になるためには、高等学校(看護科、専攻科の5年間)、あるいは、看護専門学校、看護短大、看護大学で看護師養成教育が行われており、これを卒業すると看護師国家試験の受験資格を得ることができます。実際には、これらの学校の卒業見込みの段階で国家試験を受験できますが、最終的にその年度で卒業しなければ、国家試験で合格点以上を取っていても不合格になります。この看護師国家試験に合格すると、合格者からの申請によって厚生労働大臣から看護師免許が交付され、晴れて看護師としての資格を得るので、看護師の求人募集などに応募することができるようになります。

大卒看護師の増加

 かつては、看護師になるために要する教育は、ほとんどが看護専門学校で行われてきました。しかし、最近では、医療の高度化や看護職の地位の向上といった社会的背景を踏まえ、四年制の看護学部や医学部保健学科が増えてきています。現在では、さまざまな看護師養成機関の卒業生の約2割が四年制大学の卒業生で占められており、だんだんと大学卒の看護師が増えてきています。

看護師の専門分野

 学校等で看護教育を受けた後、看護師国家試験に合格した看護師は、病院などの医療機関に勤務する人がほとんどです。また、数は少ないのですが、看護師の中には、現場での実務経験を積み継続的に専門的な勉強を続けることによって、認定看護師や専門看護師といった一層専門分野に特化した看護師の認定試験に挑戦する人もいます。

准看護師とは

 看護職の資格としては、看護師准看護師の二つがあります。このうち准看護師は、住所地の各都道府県知事による免許を取得し、医師、歯科医師又は看護師の指示により、傷病者又はじょく婦(妊婦)に対して療養の世話、あるいは医療の診療の補助をする仕事に就いている人のことをいいます。看護師の資格は国家資格の免許ですが、准看護師の資格は都道府県知事から与えられる免許の資格となっています。准看護師の資格が登場した時代は古く、戦後の混乱期がまだ癒えぬ看護師不足が著しかった昭和26年に、急きょ看護師の人手不足を解消するために、看護師の仕事をお手伝いする資格として准看護師の資格ができました。

准看護師の職務内容

 現在においては、現実的な仕事としては、病院内では、准看護師も看護師もあまり変わらない仕事をしており、見た目もほとんど差がありません。そのため、准看護師と看護師の違いはわかりにくいものですが、法律的にはそれぞれの資格と職務内容には、次のとおり明確な違いが定められています。
<免許について>
◇看護師 ・・・「国家資格免許」
◇准看護師・・・「都道府県知事免許」
<職務内容について>
◇看護師 ・・・「自らの判断によって主体的に看護を行うことができる」
◇准看護師・・・「医師、歯科医師、看護師の指示を受けて看護を行うことができる」

准看護師の処遇

 現実的な仕事は別としても、法律上は、准看護師は医師、歯科医師、看護師の指示がないと看護を行うことができない仕組みとなっています。法律上は、こうした違いだけですが、現実的には、看護師に比べて准看護師は給与水準が低い病院がほとんどで、勤務年数を重ねた後の昇格にも影響する場合も多くなっています。

准看護師の求人募集

 また、就職のケースを見てみると、最近では、大学病院や総合病院など大きな病院による求人募集転職などについては看護師資格を有している人に限定していることがほとんどなので、准看護師の求人や募集がなかなか行われていないのが実態です。こうしたことから、大きな病院による准看護師の求人募集はまれなケースであり、多くは個人の診療所などしか就職先があまりないないというのが現実です。これから看護職を目指すのであれば、何か特別な事情がない限り、准看護師よりも看護師を目指す方が就職時においても、就職後の将来においても有望であるといえます。

認定看護師とは

 看護師の中でも向上心旺盛な人は、認定看護師に挑戦している人もいます。認定看護師とは、わかりやすくいうと、「特定の看護分野で、すばらしく知識と技能を有している看護師」といえます。つまり、認定看護師は、日本看護協会が定めている「認定看護師認定試験」に合格した看護師のことで、これは17分野のうち特定の専門的な看護分野において、卓越した看護実践のための知識と能力を持っていることが認められた看護師のことをいいます。この認定看護師は、平成20年現在において、全17分野でトータルしても4,458名しか全国にいないという極めて専門性の高い能力を有している看護師です。これは、現在、看護師の数が約80万人いることから考えても、どれほど取得するのが困難な資格かがわかります。

認定看護師の更新

 日本看護協会が実施する認定看護師認定試験に合格すれば「認定証」が交付されますが、それで一生涯にわたって認定看護師としていられるわけではなく、認定看護師としての質を保持するための仕組みとして、「5年ごとに更新審査」を受ける必要があります。

認定看護師の役割

 認定看護師は各専門看護分野において、次に掲げる役割を担っています。
1:特定の看護分野において、個人・家族または集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する(実践)。
2:特定の看護分野において、看護実践を通して他の看護職者に対し指導を行う(指導)。
3:特定の看護分野において、看護職者に対しコンサルテーションを行う(相談)。

認定看護師の認定看護分野

 認定看護師の認定看護分野は、次のとおり17種類となっています。

 救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護 、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護

認定看護師試験の受験資格

 認定看護師試験を受験するためには、次に掲げる資格をすべて満たしている必要があります。

1 日本国の保健師、助産師及び看護師のいずれかの免許を有すること。
2 保健師、助産師及び看護師の資格取得後、実務経験が通算5年以上であること。そのうち通算3年以上は特定の認定看護分野の実務経験をしていること。
3 日本看護協会が認定した「認定看護師教育課程」を修了していること。又は、外国において同等と認められる教育を修了していること。

専門看護師とは

 看護師の中には専門看護師を目指している人もいますが、かなり何度の高い試験のため、資格を取得するのが難しいものといえます。専門看護師とは、日本看護協会の定める「専門看護師認定試験」に合格した者で、特定の10分野の専門看護分野の中で卓越した看護実践能力を持っていることが認められた看護師のことをいいます。専門看護師は看護師資格の中でも、かなり難しいとされる認定看護師よりもランクの高い看護師の資格といえます。なお、この認定看護師及び専門看護師という資格は、法律で定められた国家資格ではなく、日本看護協会が独自に認定しているものですが、看護職の間にあっては高い評価を受けています。

専門看護師の高度な専門性と更新審査

 専門看護師としては、平成8年に初めて専門看護師が認定されましたが、その後、10数年を経た平成20年現在においても、全国にたった238人しか存在しないという極めて専門性の高い看護師の資格です。看護師の数が全国で約80万人ほどいる現状から考えてみても、専門看護師は認定看護師以上に困難な資格であるかがわかります。その理由の一つとしては、専門看護師の受験資格に大学院修了(修士取得)を義務付けているため、ほとんどの看護師には受験資格すら持っていないからともいえます。日本看護協会が実施する専門看護師の認定試験に合格すれば「認定証」が交付されますが、専門看護師としての質を保持していくため、5年ごとに更新審査を受ける必要があります。

専門看護師の役割

 専門看護師は各専門看護分野において、次の役割を担っています。
1 専門看護分野において、個人・家族又は集団に対して卓越した看護を実践する。
2 専門看護分野において、看護職者を含むケア提供者に対しコンサルを行う。
3 専門看護分野において、必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人の間のコーディネーションを行う。
4 専門看護分野において、個人・家族又は集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。
5 専門看護分野において、看護職者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。
6 専門看護分野において、専門知識・技術の向上、開発を図るために実践の場における研究活動を行う。

専門看護師の認定看護分野

 専門看護師の認定看護分野は10種類となっており、その内容は次のとおりです。

がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援

専門看護師の受験資格

 専門看護師試験を受験するためには、次の1から3の資格をすべて満たしている必要があります。

1 日本国の保健師、助産師及び看護師のいずれかの免許を有すること。
2 日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準で指定された内容の科目単位を取得していること(以下の条件のいずれかを満たす者であること)
(1) 看護系大学大学院の修士課程修了者で、日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得した者。なお、看護系大学大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準の所定の単位に満たない者は、必要単位をさらに取得するものとする。
(2) 看護学以外の関連領域の大学院等を修了した者で、(1).において必要単位をさらに取得した者。
(3) 外国において(1)から(2)と同等以上の教育を受けたと認められた者
3 専門看護師としての必要な実務研修があること
(1) 保健師、助産師及び看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上であること。そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修であり、その経験のうち、1年以上は専門看護師に必要な所定の教育修了後の実務研修を含んでいること。
(2) 次の各項に定める専門看護分野の実務研修をしていなければならない。
・専門看護分野における、個人、家族及び集団に対する直接的な看護実践
・専門看護分野における、看護職を含むケア提供者に対するコンサルテーション
・専門看護分野における、必要なケアが円滑に行われるための、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーション
・専門看護分野における、個人、家族及び集団の権利を守るための、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる倫理調整
・専門看護分野における、ケアを向上させるための、看護者に対する研修会、研究指導及び講演会等での活動を含む多様な教育的機能
・専門看護分野における、専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるための実践の場における研究活動
(3) (1)で定める実務研修5年及び専門看護分野での実務研修3年は、常勤の勤務でなければならない。
(4) 専門看護師の認定審査を受験する者は、上記の条件を全て満足する者であり、現在、常勤、非常勤勤務を問わず実践を行っていること。
(5) 専門看護分野の実務研修を常勤で通算3年以上実施した者については、(1)の専門看護師に必要な所定の教育修了後の1年の実務研修は、非常勤の勤務での研修でも差し支えない。ただし、この非常勤勤務の実践内容としては、以下の内容を満たしていること。
・特定の施設と契約等を交わし、定期的に実践していること。
・実践時間については週8時間以上で、通算1,800時間に達していること。

男性看護師

法改正による男性看護師

 男性看護師という名称は、法律に基づいた国家資格の名称ではなく、あくまで一般的に呼ばれている男性の看護師に対する呼称です。かつて、フローレンス・ナイチンゲールの活動に始まる看護師の職場は、かつて我が国においても「白衣の天使」と言われてきたように、完全な女性限定の職場でした。しかし、現在では男性にも看護師への門戸が開かれるようになり、この看護師のことを一般的に「男性看護師」と呼んでいます。旧「保健婦助産婦看護婦法」においては、女性は「看護婦」、男性は「看護士」と呼ぶこととされていましたが、「男女雇用機会均等法」が公布施行されたことに伴い、2001年に「保健師助産師看護師法」として新たに法律改正され、2002年3月から女性や男性といった性別に関係なく「看護師」という呼称に統一されました。

男性看護師の仕事

 男性看護師といっても、看護学校における看護師養成カリキュラムも男女の区別はまったくなく、看護師の国家資格の取得後に求人募集に応募して就職する病院等の勤務先でも女性や男性に関係なく仕事内容は同じであり、男性看護師でも活躍できる環境が整ってきています。ただ、男性と女性の看護師の仕事内容が同じといっても、男性看護師は産婦人科へは配置されるというケースはなく、妊婦や患者への配慮がされています。男性看護師の配属先は、透析室や集中治療室、外科、整形・脳外科病棟、あるいは、病院によっては精神科への配属といったケースが多くなっています。また、基本的に男性看護師は女性看護師と仕事内容は同じですが、医療機器の管理や力仕事が必要な場所など比較的男性が得意とする仕事に重宝されているという実態もあります。

まだ少ない男性看護師

 最近になって、男性看護師は徐々に増加傾向にあります。各病院における男性看護師への需要も高まってはいるものの、看護師の全体数から見ればまだまだその割合は少ないのが現状です。例えば、「平成18年度 看護統計資料集」(日本看護協会)によると、平成16年現在では、実際に就業している看護師は約76万人ほどいますが、そのうち男性看護師は約3万1500人しかおらず、その割合としては約4.2%でしかありません。しかし、男女の仕事の垣根がなくなってきている現状において、今後、看護師の世界にも男性看護師の数が増えていくのではないかと思われます。

訪問看護師

訪問看護師とは

 通常、看護師といえば、病院などで白いナース服を着て患者のお世話をするイメージですが、それ以外にも訪問看護師という仕事があります。訪問看護師とは、病院内で医療行為の手伝いなどをするのではなく、患者が住んでいる各家庭まで赴いて自宅を訪問し、その場で患者のケアを行ったり、患者とその家族に保健指導を行ったりする看護師のことをいいます。訪問看護師が務める職場としては、病院などが併設している訪問看護ステーション、あるいは、各都道府県や政令指定市などが設置している保健所・市町村保健センターなどが主な就業先となります。また、訪問看護師になるには、看護師の国家試験に合格して厚生労働大臣から看護師免許を取得しているだけでなく、一部の市町村では、採用に当たっては、一定の研修を義務付けいるところもあります。

訪問看護師は法に基づいた仕事

 訪問看護師による訪問介護は、病気であれば誰もがその対象者になるというものではなく、各法律に基づいた制度として規定されています。そのうち、介護保険法では、市町村から要支援・要介護の認定を受けた者が対象となり、また、健康保険法等では年齢や疾病、障害の程度にかかわらず訪問看護の必要性がある者が対象となり、いずれの場合においても、医師の指示書が提出されていないと訪問看護の対象とはなりません。

訪問看護師には専門知識が

 訪問看護師の仕事としては、病院に勤務する看護師の場合と同しように、医師の指示に基づいて、患者の自宅を訪問して看護を行うことになりますが、実際問題としては、訪問先の家庭が離れていることもあり、訪問看護師の現場の判断で臨機応変な看護を行うことが多いのも事実です。訪問看護の現場は一般の家庭であるため、病院のように医療機器が揃っているわけでもなく、直接医師との連絡もとりにくいため、現場に赴く訪問看護師には、かなり高度な専門知識と看護の経験が求められます。

訪問看護師の看護内容

 訪問看護師は、各家庭に赴き、看護が必要な人に対して次のような内容の訪問看護を行います。

・入浴や排泄の補助
・日常生活の行動の援助
・床ずれの防止やその処置
・注射・点滴
・薬の服用の指導や補助
・簡単な医療行為

動物病院に勤務する動物看護師

動物看護師の資格

 看護師という名称の付く仕事に動物看護師というものがあります。動物看護師には、「看護師」という名称が付いてはいますが、看護師試験の国家試験に合格して資格が取得できる看護師や准看護師の資格とは、全く別のもので何ら関係もありません。人の看護をする看護師が「国家資格」なのに対し、動物看護師は法律で定められた資格ではなく、あくまでも民間団体が認定を行った単なる「民間資格」にすぎません。

動物看護師の仕事

 動物看護師の仕事としては、動物病院等で獣医師の直接指導を受けながら、動物の診療の補助、手術の補助、各種検査の実施といった看護的な仕事から、受付業務といった事務的なことや飼い主への対応まで幅広い仕事を行う専門的技術者の仕事を行います。動物看護師には、人間の看護を行う看護師と同様に、動物の看護に対する高度な技術と幅広い知識が求められています。日本においては、ペットブームが本格化しており、それに伴って動物病院の数も年々増加しており、それに伴い動物看護師への求人や募集も高まっている状況にあります。

動物看護師になるには

 動物看護師になるためには、基本的に動物好きということはもちろんですが、その資格として動物看護師は、看護師と違って法律で定められているわけではありません。公的資格(国家資格)はないので、各動物関連団体などが独自の審査基準に基づいて、民間資格として動物看護師の認定を行っており、こうした団体が実施している認定試験などに合格し、その認定を受ければ動物看護師として働くことができるともいえます。

動物看護師は民間資格

 また、動物看護師は公的資格ではなく、全国的に法律で統一された基準がないことから、さまざまな団体がそれぞれの課程で養成を行い、独自の基準で資格を与えている状況にあります。このため、動物看護師やそれ相当の資格を有しているといっても、受けてきた動物看護の教育の内容やレベルは団体によって様々だといえます。さらには、実際には、こうした団体による動物看護の教育や資格認定を受けていなくても、動物看護師として動物病院などで勤務することは、法律の規制がまったくないので可能といえます。つまり、例えば、獣医師のご主人の下、何の資格も教育も受けていない奥さんが動物看護師として働くことも可能ということです。

動物看護師の資格取得が可能な団体

 日本において、現在、動物看護師の資格を得ることができる主な団体とそも資格名は次のとおりです。

・日本動物衛生看護師協会・・・AHT, 動物衛生看護師
・日本動物病院福祉協会・・・VT, 動物看護士
・日本小動物獣医師会・・・動物看護師
・全日本獣医師協同組合・・・ANT, 動物看護士
・日本動物看護学会・・・動物看護師

 看護師になには、看護師の国家試験に合格する必要がありますが、その国家試験の受験資格を得るためには、まずは看護師養成学校等を卒業する必要があります。こうした看護師養成学校等には、公立、私立の別を含めていくつかの学校の種類があります。

高等学校衛生看護科を経て看護師へ

 看護師になるための最短コースともいうべき道は、中学校を卒業した後に高等学校の衛生看護科へ進学することです。衛生看護科のある高等学校へ入学し、3年間で単位を履修して卒業すれば、各都道府県知事が実施している准看護師試験の受験資格を得ることができます。これに合格した後、高等学校の衛生看護科の専攻科へ進み、2年間学んで卒業すれば看護師の国家試験の受験資格を得ることができます。

看護専門学校を経て看護師へ

 現在一番多い看護師国家試験の受験資格を満たす方法として一般的なものが、高等学校を卒業した後、看護専門学校に進学することです。看護専門学校の単位を取得して3年間(ただし、定時制は4年間)で卒業すれば、看護師の国家試験の受験資格を得ることができます。

看護短期大学を経て看護師へ

 高等学校を卒業した後、看護短期大学に進学し、単位を履修して3年間で卒業すれば、看護師の国家試験の受験資格を得ることができます。一般的な短大の修学期間は通常2年間ですが、看護短期大学の場合には3年間をかけて学ぶ必要があります。

看護系大学を経て看護師へ

 看護師の国家試験の受験資格を得る方法として近年増加しているのが、高等学校を卒業した後、看護の学部や学科を設置している看護系大学へ進学することです。大学を4年間で単位を取得して卒業すれば看護師の国家試験の受験資格を得ることができます。看護師の国家試験の受験資格を得るための期間としては、一番年数がかかりますが、高度化している看護の世界において看護大学の役割は大きくなってきています。最近では、こうした看護専門大学の数も増加しており、今後、看護師を目指す多くの方がこの看護系大学への進学を選択するものではないと思えます。

さまざまな看護師養成学校

 こうしたいずれの看護師養成学校においても、卒業見込みの段階で看護師の国家試験を受験することができますが、試験に合格していても学校を卒業できなければ、他の国家試験と同様に不合格になります。なお、看護師養成学校の授業料等の諸条件は、公立、私立によるほか、各学校によって様々なので、募集要項等で事前に確認しておく必要があります。

看護師国家試験の受験資格

看護師の国家試験

 看護師求人募集に応募するためには、まずは、その登竜門としての看護師国家試験に合格する必要があります。この厚生労働省が実施する看護師国家試験は、誰もが受験できるわけではなく、一定の受験資格が求められています。即ち、厚生労働大臣指定の学校又は文部科学大臣指定の学校を卒業した者(卒業見込含)、あるいは、都道府県知事免許の資格である准看護師で実務経験がある者などの一定の条件が定められています。

看護師の国家試験の合格基準

 この看護師の国家試験の合格基準は毎年若干変わってはいるとはいうものの、試験の合格率は、ほぼ例年90%を越えていることから、それほど困難な試験ではなく、看護師養成学校等でまじめに勉強さえしておけば、合格圏内に入ることができる国家試験だといえます。

看護師の国家試験の受験資格

 具体的な看護師の国家試験の受験資格としては、次のとおりとなっています。

1 文部科学大臣指定の看護師養成校で3年以上、看護師になるのに必要な学科を学んだ者(卒業見込を含む。)。
2 厚生労働大臣指定の看護師養成校を卒業した者(卒業見込を含む。)。
3 准看護師の免許取得後、3年以上業務に従事している准看護師、又は高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師で、指定学校又は指定養成所で2年以上修業した者(卒業見込み含む。)。
4 日本以外の外国の看護師養成校を卒業、又は外国での看護師免許を取得者で、厚生労働大臣が1又は2の条件と同等以上の知識と技能があると認めた者。
5 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律(昭和26年法律第147号)附則第8項に規定する者。

看護師国家試験の試験科目

 看護師国家試験の試験はまる1日間にわたって行われます。午前には必須問題及び一般問題、午後には一般問題及び状況設定問題の順に行われます。看護師国家試験の試験科目は次のとおりです。

 <午前:必須問題・一般問題>
◇人体の構造と機能
◇疾病の成り立ちと回復の促進
◇社会保障制度と生活者の健康
◇基礎看護学
◇在宅看護論 
◇成人看護学 
◇老年看護学 
◇小児看護学 
◇母性看護学 
◇精神看護学

 <午後:一般問題・状況設定問題>
◇在宅看護論
◇成人看護学
◇老年看護学
◇小児看護学
◇母性看護学
◇精神看護学

看護師国家試験の試験科目の内容

 看護師国家試験の試験科目の内容は、概ね次の内容から出題されます。

看護師国家試験科目のうち「人体の構造と機能」の詳細
1 生命-細胞
2 生命-皮膚と膜
3 生命-恒常性
4 血液-血液の成分と機能・止血機構・血液型
5 防御機構
6 循環器系-心臓・血管系・リンパ系
7 神経調節-中枢神経・末梢神経
8 感覚と認識
9 体液調節-ホルモンの種類・調節・機能
10 運動系-姿勢・骨格・骨格筋・運動
11 呼吸の機構-換気とガス交換・呼吸調節
12 栄養摂取-食欲・消化・吸収・代謝
13 排泄-尿の生成・排尿・排便
14 生殖-男女の生殖系

看護師国家試験科目のうち「疾病の成り立ちと回復の促進」の詳細
1 疾病の誘因と生体の回復力
2 個人の反応
3 細胞や組織の変化
4 薬物療法・手術療法
5 感染看護の視点
6 防御機構への看護
7 脳機能の障害
8 感覚機能の障害
9 生命の危機
10 呼吸器機能の障害
11 循環機能の障害
12 造血機能の障害
13 食の障害
14 消化器の機能障害
15 肝臓機能の障害
16 代謝機能の障害
17 排泄機能の障害
18 内分泌機能の障害
19 体液の調節障害
20 運動機能と皮膚の障害
21 生殖機能の障害

看護師国家試験科目のうち「社会保障制度と生活者の健康」の詳細
1 生活基盤
2 社会保障理念・基本方針
3 社会保障制度-社会保険
4 社会福祉理念と施策-生活保護法
5 社会福祉理念と施策-障害者への施策
6 社会福祉理念と施策-児童への施策
7 社会福祉理念と施策-老人への施策
8 健康公衆衛生
9 健康指標-衛生指標の動向
10 感染症と予防
11 保健活動-母子保健
12 学校保健
13 生活習慣病対策
14 難病対策
15 職場の健康管理
16 医療機関-医療法・保健師助産師看護師法

看護師国家試験科目のうち「基礎看護学」の詳細
1 看護概念
2 生活の視点・看護理論
3 看護の展開
4 基本技術
5 基本的日常生活援助技術
6 診察・検査
7 診療補助
8 看護の役割

看護師国家試験科目のうち「在宅看護論」の詳細
1 対象-対象者
2 看護の継続性
3 在宅療養者の特徴
4 生活支援技術
5 医療管理
6 状態別看護

看護師国家試験科目のうち「成人看護学」の詳細

1 成人の特徴
2 健康障害
3 健康の維持増進への援助
4 急性期患者の看護
5 障害の受容と社会参加
6 慢性期患者の看護
7 終末期患者の看護
8 呼吸器系障害の看護
9 循環器系障害の看護
10 造血器系障害(貧血)の看護
11 栄養代謝障害-咀嚼・嚥下
12 栄養代謝障害-消化・吸収障害
13 栄養代謝障害-肝臓・膵臓機能障害
14 栄養代謝障害-糖・脂質・尿酸代謝障害
15 内部環境障害の看護
16 生体防御機能障害の看護
17 感覚機能障害の看護
18 認知障害の看護
19 運動機能障害の看護
20 排泄障害-排便障害
21 生殖器・性機能障害の看護

看護師国家試験科目のうち「老年看護学」の詳細
1 老年期理解
2 老年期の特徴
3 加齢に伴う変化
4 老年期の健康-高齢期の健康・特徴
5 基本的看護
6 健康を支える看護
7 障害高齢者看護
8 治療中の高齢者
9 終末期

看護師国家試験科目のうち「小児看護学」の詳細
1 子どもと家族概念
2 成長・発達
3 成長・発達-心理・社会性
4 成長・発達-発育・評価
5 新生児の看護
6 乳児の看護
7 幼児の看護
8 学童・思春期の看護
9 入院-影響と看護
10 状況別看護-外来
11 状況別看護-検査・処置
12 状況別看護-行動制限・隔離
13 状況別看護-先天異常・手術・急性期
14 状況別看護-慢性状態・痛み・終末期

看護師国家試験科目のうち「母性看護学」の詳細
1 母性看護の概念・倫理
2 発生と遺伝的要素
3 性周期とホルモン動態
4 性行動
5 生殖の倫理
6 女性のライフサイクルにおける看護
7 周産期-妊婦の看護
8 周産期-産婦の看護
9 周産期-褥婦の看護
10 周産期-新生児の看護
11 ハイリスク-妊婦の看護
12 ハイリスク-産婦・胎児の看護
13 ハイリスク-褥婦・新生児の看護

看護師国家試験科目のうち「精神看護学」の詳細
1 精神の構造と機能とその障害
2 患者心理と危機・危機介入
3 発達モデルと発達危機
4 患者・看護師の関係と精神看護の技術
5 症状のアセスメントと看護
6 精神疾患の診断基準
7 治療方法
8 精神医療の変遷
9 地域精神保健


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