保健師関連基礎用語の(あ・か行)です。
◇医薬分業
医師や歯科医師の診療後に、院外処方せんが発行され、患者は薬局でその処方せんをもって薬剤師に薬を調剤してもらい、それを受け取る方式のこと。診療は医師、調剤は薬剤師と、その専門性を発揮でき、また複数の医療機関にかかっている場合は、薬剤管理を行きつけの薬局(かかりつけ薬局)で一手に行うことで、重複投薬や薬の飲み合わせなどのチェックやきめ細かな服薬指導ができる。
◇インフォームド・コンセント
直訳すれば「知らされた上での同意」という意味。医師が患者に対して診療の目的や内容を十分に説明し、患者の同意を得たうえで治療することをいう。日本では従来、患者は診療行為に口出ししないのが一般的であったが、アメリカなどでは、医療過誤の裁判においてインフォームド・コンセントを行っていないことが医師の責任を認定する法的根拠ともなることから、インフォームド・コンセントは基本になっている。
◇介護保険
介護の必要な高齢者の自立した生活を支援するための介護サービスを給付する保険で、2000年より始まった。従来、老人福祉と老人保健の二つの制度下で行われていた高齢者介護を再編成し、給付と負担の関係が明確になる社会保険形式をとることで、介護費用を社会全体の相互扶助の形で負担する。サービスの対象者は65歳以上の要介護者と、40歳以上の老化を原因とする要介護者。サービスを受けるには介護認定を受け、ケアプランを作成しなければならない。
◇環境ホルモン
「内分泌かく乱物質」のこと。体内に入ると生体の恒常性、生殖等に関係するホルモンの働きを乱す性質をもつため、『環境ホルモン』と俗称される。本来、ホルモンは標的器官のレセプター(受容体)に結合することでその機能を発揮するが、内分泌かく乱物質はホルモンではないのにレセプターに結合してしまい、本来のホルモンが作用できなくしたり、異常な作用をもたらしたりする。人への影響の有無はまだ解っていないが、DDTによるワニの孵化率の減少など、動物への影響はいくつか報告されている。環境省では、ノニルフェノールなど2物質について、内分泌かく乱作用を確認している。
◇感染症法
「伝染病予防法」に代わって、新たな感染症対策の基本法として定められた法律。正式には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」という。感染症の発生及びまん延の予防を目的に、人権に配慮しながら計画的に感染症対策を推進することが定められている。この法律の制定によって、伝染病予防法、エイズ予防法、性病予防法は廃止された。
◇クロイツフェルト・ヤコブ病
神経難病の一つで、よくうつ、不安などの精神症状を発症し、徐々に認知症(痴呆)や歩行困難などになって発症から1年程度で全身衰弱・呼吸不全・肺炎などで死亡する。原因は、感染性のある異常プリオンたんぱくと考えられ、他の、プリオンを原因とする病気とともに「プリオン病」とも称される。プリオンはヒトの染色体に存在するプリオン遺伝子がつくりだす糖たんぱくで、元々ヒトの体に存在する。そのプリオンが異常化した場合に病気を起こすと考えられている。
◇グリーン購入
商品やサービスを購入しようとする際に、価格や品質だけでなく、環境汚染物質をできるだけ発生させない商品や再使用・再生利用が可能なものなど、環境への負荷ができるだけ小さいものを優先的に購入すること。グリーン購入をすすめることは、個人のライフスタイルを環境にやさしいものに変えていくだけではなく、商品を供給する企業に、環境の負荷が小さい製品の開発や環境に配慮した経営努力を促すことになる。
◇健康寿命
「日常生活に介護を必要としない、心身共に自立した活動的な状態で生存できる期間」(「厚生白書」)のこと。心身に障害のない自立した期間であるか、それとも介護を必要とする期間であるかでQOLに著しく差が見られるため、単に長さだけでなくその質も問うこうした考え方が注目を集めている。健康寿命には平均自立期間を算出するものや、HLE(健康的生活時間予測)といった考え方がある。WHOでは、2000年以降HLE方式の各国の健康寿命を公表しているが、日本は毎年1位となっている(2003年では約75歳)。
◇健康増進法
国民の栄養の改善や健康の増進を図ることを目的に、2002年制定された。国民が主体的に健康の増進につとめるためのさまざまな支援のとりくみについて定められている。「健康日本21」を推進するにあたっての根拠法の性格をもち、廃止になった「栄養改善法」の内容を受けついでいる。
◇健康日本21
「第一次国民健康づくり対策」「アクティブ80ヘルスプラン」の後をうけ、2000年から実施されている「21世紀における国民健康づくり運動」。「すべての国民が健康で明るく、元気に生活できる社会」の実現のために、壮年死亡の減少と健康に関するQOLの低下を軽減することを目指し、現在問題になっている健康課題について10年後に達成すべき具体的数値目標を示し、積極的な取り組みを促している。